がんゲノム医療におけるリキッドバイオプシーを用いた診断および解析方法のポイント

リキッドバイオプシーは低侵襲性の液体検体であり、がんゲノム医療における革新的な診断方法として期待されています。一方で、解析対象とするには技術と知識が必要であり、応用方法はまだ限られた開発途上の方法でもあります。 　本セミナーでは、なぜ、ゲノム・エピゲノム異常ががんの原因となるのかについて、分子メカニズムの基礎から説明いたします。また、ゲノム・エピゲノム異常がどのようにがん医療において利用されているのかについて、解析方法 (次世代シークエンサー・データ解析) の解説も含めてご紹介いたします。さらに、リキッドバイオプシーに関して、使用する液体検体の種類・解析方法・解析対象といった基礎から、メリットやデメリット、臨床応用の現状、今後の展開についてお話しいたします。 　今後のがんゲノム医療に重要なリキッドバイオプシーに関して基礎から分かりやすく解説致しますので、ぜひ、ご参加ください。

1. はじめに
2. ゲノムの基礎
   1. ゲノム異常と疾患との関連
   2. がんにおけるゲノム異常の種類と特徴
      1. 体細胞変異と生殖細胞変異
      2. 点突然変異
      3. 遺伝子増幅
      4. 染色体の構造異常 (転座と欠失)
   3. ゲノム異常の誘発機構
   4. 正常組織に存在するゲノム変化
3. エピゲノム異常
   1. がんにおけるエピゲノム異常の種類と特徴
      1. DNAメチル化
      2. ヒストン修飾
      3. クロマチン高次構造
   2. エピゲノム異常の誘発機構
   3. ゲノム異常との違い
4. がんゲノム医療
   1. 次世代シークエンスの種類
      1. 全ゲノムシークエンス
      2. エキソームシークエンス
      3. ターゲットシークエンス
   2. クリニカルシークエンス
      1. クリニカルシークエンスとは
      2. 国内のクリニカルシークエンスの現状
      3. 最新の研究動向
5. リキッドバイオプシー
   1. リキッドバイオプシーの基礎
      1. 歴史
      2. 体液サンプルの種類
      3. リキッドバイオプシーを用いた診断 (がん医療以外)
   2. がん医療における診断
      1. 診断の種類
      2. バイオマーカー
      3. バイオマーカーと治療標的の違い
   3. 血液以外の体液サンプルを用いたがん診断
   4. 血液サンプルのリキッドバイオプシーの特徴
      1. 血中循環がん細胞 (circulating-tumor cell)
      2. 血中循環がん由来DNA (circulating-tumor DNA)
      3. 血中遊離DNA (cell-free DNA)
      4. エクソソーム
   5. 血液サンプルを用いたがん診断
      1. がんの存在診断
      2. 薬剤奏効性および薬剤耐性の診断
      3. 臨床応用の現状
   6. リキッドバイオプシーを用いたエピゲノム異常の解析
6. 課題と今後の展望