高分子劣化のメカニズムと添加剤による対策や材料分析技術

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本セミナーでは、高分子材料の劣化メカニズムから、添加剤の活用方法・分析装置による分析評価事例を3名の講師が解説いたします。

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プログラム

第1部: 高分子材料の劣化の基礎と対策

(2025年3月17日 10:00〜12:00)

 高分子材料 (プラスチック、ゴム) は、他の材料と比べて、軽い、加工しやすい、価格が安い等といった様々な利点がある反面、劣化しやすいという最大の欠点を持っています。工業製品のトラブルは、材料起因のケースが多く、特に、高分子材料は、他の材料と比べて劣化しやすいため、多くのトラブルを発生させている可能性が高いと考えられます。  本セミナーを受講していただくことで,材料ユーザーとして製品を開発する際に、高分子材料を適切に選定するスキルを身に着けられるようにしたいと思っています。

  1. 高分子材料の劣化原因 (事例を交えて紹介)
    1. 熱による劣化
    2. 酸素による劣化
    3. 光による劣化
    4. 水分による劣化
    5. 化学物質 (有機溶剤等) による劣化
    6. 繰り返し応力による劣化
    7. 複合劣化
    8. その他
  2. 高分子材料の劣化を抑制するための添加剤の種類とその役割
  3. 高分子材料の破壊原因 (事例を交えて紹介)
    1. 脆性破壊
    2. 延性破壊
    3. 疲労破壊
    4. その他
  4. 高分子材料の劣化・破壊対策 (ユーザーの立場で)
    1. 使用時の劣化・破壊を抑制するための材料の選定
    2. 熱可塑性樹脂の成型加工時の劣化・破壊対策
    3. 熱硬化性樹脂の硬化時の劣化・破壊対策
  5. まとめ

第2部: プラスチック用添加剤による劣化・変色対策

(2025年3月17日 13:00〜15:00)

 プラスチックは軽量で加工性に優れているため自動車、家電、食品包装材、生活資材などの多くの分野で使用されているが、使用環境によっては熱や光により材料の力学特性低下や変色等が引き起こされ、耐久性や外観を損なうことがある。そのため、複数のプラスチック用添加剤が配合されており、長寿命化や高機能化に大きく貢献している。一方で、配合する添加剤の種類・添加量を誤るとブリードアウトによる外観不良や変色問題を引き起こす可能性があり、適切な添加剤配合の選定が必要である。  本セミナーでは、ポリオレフィンを中心としたプラスチックの劣化機構を説明した上で、市販されている酸化防止剤・光安定剤・金属不活性剤に加えて、環境対応型樹脂添加剤であるアデカシクロエイドシリーズを紹介しながらその適切な選択・使用方法について解説する。

  1. 高分子材料の酸化劣化と安定化
    1. ポリマー用添加剤とは?
    2. ポリマー用添加剤の種類
  2. 酸化防止剤の種類とその有効な活用方法
    1. 熱酸化劣化を抑制する添加剤
      1. フェノール系酸化防止剤の種類と作用機構
      2. ホスファイト系酸化防止剤の種類と作用機構
      3. チオエーテル系酸化防止剤の種類と作用機構
  3. 金属不活性化剤の種類とその有効な活用方法
    1. 金属による酸化劣化を抑制する添加剤
      1. 金属不活性剤の特徴と作用機構
      2. 金属不活性化剤の効果と使用法
  4. 光安定化剤の種類とその有効な活用方法
    1. 光酸化劣化を抑制する添加剤
      1. UVAの種類 と作用機構
      2. HALS (ヒンダードアミン型光安定剤 ) の種類と作用機構
  5. リサイクル材料向け環境対応型樹脂添加剤 (アデカシクロエイドシリーズ) の紹介
    1. リサイクル材料に適した添加剤
      1. 酸化防止剤パッケージ 「アデカシクロエイド UPR-001」
      2. 核剤パッケージ 「アデカシクロエイド UPR-011」
      3. 光安定剤パッケージ 「アデカシクロエイド UPR-021」
  6. 各種添加剤の選定方法
    • 添加剤の選び方、注意点
    • 実用配合処方の紹介

第3部: 高分子材料の劣化における分析・評価事例

(2025年3月17日 15:15〜16:45)

 高分子材料の評価で用いられる分析装置とそこから得られる分析結果について基礎から解説します。  今回は、劣化に伴う高分子材料の変化を多角的に評価できるように、劣化をキーワードとした評価事例を多く紹介し、各装置を用いて、または、装置を組み合わせて解析する手法を学びます。高分子の構造変化を評価できる分析装置として、フーリエ変換赤外分光光度計、ラマン分光光度計などを紹介します。  また、高分子の特性変化を評価できる分析装置として、ダイナミック超微小硬度計、紫外可視分光光度計、示差走査熱量計などの紹介を予定しています。

  1. 高分子材料の分子構造評価法
    1. 赤外分光光度法 (FTIR)
      1. 原理
      2. 高分子材料の評価の例 (HDPE vs LDPE)
    2. ラマン分光光度法 (Raman)
      1. 原理
      2. 高分子材料の評価の例 (多層フィルム)
    3. 紫外線劣化・熱劣化した高分子材料の赤外/ラマン分光分析
      1. 紫外線劣化・熱劣化に伴う分子構造変化
      2. 各分光分析法のメリットとデメリット
    4. リサイクルした高分子材料の赤外/ラマン分光分析
      1. マテリアルリサイクルと分子コンフォメーション
      2. リサイクルポリプロピレンの評価
    5. マトリックス支援レーザー脱離イオン化法 (MALDI) を用いた分析事例の紹介
  2. 高分子材料の特性評価法
    1. ダイナミック超微小硬度計
      1. 原理
      2. 劣化に伴う硬さの変化
    2. 紫外可視分光光度計
      1. 原理
      2. カラー評価と黄色度・黄変度
      3. 劣化に伴う色味の変化
    3. 示差走査熱量計・示差熱・熱重量同時測定装置 (DSC, TG-DTA)
      1. 原理
      2. 紫外線劣化したポリプロピレンの評価
  3. 高分子材料の劣化評価における多角的分析の必要性について

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