ディジタル機器の高速、高機能化のニーズはとどまるところを知らず、その主役を担うLSIは高速,小型など技術開発が進んでいます。一方でプリント基板の設計においては、クロック、バス信号の高速化による反射、クロストークノイズによる誤動作、およびLSIの多電源化、パッケージの小型化に伴うグラウンド品質劣化などにより放射、伝導ノイズの増大が顕著になっています。問題に遭遇してから対策するのでは対策部品が増すばかり、対策期間も先が見えずいらいらは頂点に達します。最大の問題は商品の市場機会を逸してしまうこと。この様な状態でコンサルティングを依頼されても出来ることには限りがあり、後悔しても始まりません。誰でもノイズ対策は嫌なもので、できれば避けて通りたいものです。 ノイズ対策で苦労せずに済む方法はないだろうか とお考えの回路設計者、プリント基板設計者の皆さんのために本講座を開講します。専門知識が無い方でも容易に理解できる様に分かりやすく説明します。 本講座の特徴は基礎知識と共に設計現場における事例を豊富に説明することです。知識だけが豊富にあっても現場で応用できなければ何もなりません。様々なテーマについてシミュレータの結果を踏まえて説明する予定です。 もう一つの特徴は回路を簡略化する手段を提案していることです。信号を伝送するために配線にダンピング抵抗を入れるのはいまや常識。しかしLSIに出力インピーダンス調整機能があればダンピング抵抗は不要なのです。LSI周辺のダンピング抵抗が不要になればプリント基板設計が容易になり、結果的にノイズ低減、コストダウンに寄与します。特に自社で開発するASICやFPGAには有効な手段です。他にもいくつかの提案がありますが、それは本講座を受講してご理解ください。 1日の講座ですが、ノイズの基本から応用まで無理なく理解できると確信しています。