樹脂硬化過程での重合誘起ガラス化およびその近傍での挙動

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本セミナーでは、ガラス化の基礎を説明した後、メタクリル酸エステルのバルクラジカル重合を中心に最近の新たな展開を議論いたします。
その後、繊維強化材料用の熱可塑性樹脂や、3Dプリンタへの応用を志向したフロンタル重合などの最近のトピックスを紹介いたします。

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プログラム

高分子材料の応用において、樹脂硬化は欠かせないプロセスである。長年の技術の蓄積がある一方で、樹脂硬化プロセスの制御は経験値に頼っているのが実情であり、未だに自在に制御することは困難である。  多くの場合、液体状態のモノマーから化学反応によりガラス状固体のポリマーが得られる。すなわち、重合に誘起されるガラス化が起こっている。近年の研究により、樹脂硬化挙動に重合誘起ガラス化が大きな影響を与えていることがわかってきた。ガラス化近傍では不均一性が増大し、急激な反応加速 (トロムスドルフ効果) が起こる。モノマーからポリマーへ変わるときの非晶構造変化が樹脂の硬化挙動に重要な影響を与えていることも分かってきた。  本講演では、ガラス化の基礎を説明した後、メタクリル酸エステルのバルクラジカル重合を中心に、最近の新たな展開を議論する。その後、繊維強化材料用の熱可塑性樹脂や、3Dプリンタへの応用を志向したフロンタル重合などの最近のトピックスを紹介する。

  1. 高分子のダイナミクスの基礎
    1. 緩和時間
    2. ガラス化と結晶化
    3. ガラス転移現象 (温度変化)
    4. 濃度変化や圧力変化によるガラス化
  2. バルクラジカル重合
    1. バルクラジカル重合の基礎
    2. 重合の速度論
    3. 急激な反応加速 (トロムスドルフ効果)
    4. トロムスドルフ効果の研究の歴史
    5. 重合誘起ガラス化と不均一性の発現
    6. 不均一性とトロムスドルフ効果
    7. マクロスケールの相分離現象
  3. 樹脂硬化の将来展望
    1. 熱可塑性樹脂による繊維強化複合材料
    2. 3Dプリンタ用の樹脂を志向したフロンタル重合

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