「生体模倣―生物学と工学の融合」と「医工連携 (融合) 」、一見全く無関係でお互い異質にさえ見える異分野融合の形態であるが、実は、その実現プロセスには多くの共通点がある。前者は、「工」のニーズと「生」のシーズをいかに融合するか、後者は、「医」のニーズと「工」のシーズをいかに融合するか、が重要なポイントであり、ちょうど「工」の立場が逆転しているが、実は、この点にこそ「生体模倣」プロセスを具現化するためのヒントが隠されている。 本講演では、これまで約15年間にわたり多くの「医工連携」「産学連携」研究を推進し、さらに「生体模倣」プロセスを取り入れることで、「医工生融合」を実現した講演者の実体験を踏まえ、通常の学会における成果発表ではほとんど明かされることのない異分野融合の形態や異分野の知見・成果を応用する際の試行錯誤のプロセスを整理・紹介し、バイオミメティクス (生体模倣) 着想の方法論について迫りたい。