本セミナーでは、半導体デバイス・LED機器などの熱マネジメントや高放熱性付与に貢献する高熱伝導性セラミックスについて、窒化アルミニウム・窒化ケイ素・グラファイト/セラミックスとの複合材料など、基板の熱伝導性向上に向けた材料開発と応用展開について3名の講師が解説いたします。
~パワーデバイス・LED放熱基板への展開と要求特性~
(2012年9月19日 11:00〜12:30)
窒化アルミニウム (AlN) は高熱伝導性、高絶縁性の特性を併せ持つことから、パワーデバイスやLEDの絶縁放熱基板材料として適用されている。しかし、これら半導体素子の小型化・高実装密度化に伴う発熱密度の増加により、高放熱性・高信頼性に対する要求はますます高まってきている。 近年、原料配合技術や焼結技術の改良により、AlN基板の曲げ強度は大きく改善し、500MPaを超えるものが得られている。また、結晶中への酸素固溶を抑制することにより、AlN基板の更なる高熱伝導化を達成することが可能となっている。一方、樹脂材料やメタルコア部材などの低出力用途の絶縁基板においても、高放熱性の要求が高まってきている。 この要求に対して、AlNは、その優れた熱伝導性と電気絶縁性から高熱伝導性フィラーとして非常に有望であり、エポキシ樹脂へAlNを添加するなど、AlNフィラー用途は急速な拡大を始めている。講演では、パワーデバイスやLED用途へのAlNの展開と要求特性などを紹介する。
(2012年9月19日 13:10〜14:40)
EV・HEV用PCUにおける高熱伝導セラミックス基板として将来有望な窒化ケイ素基板を中心に、各種セラミックス材料の特徴や基本特性および基板として要求される特性を概説し、実際のPCUへの応用事例と最近の技術動向を紹介する。
(2012年9月19日 14:50〜16:20)
近年、パワーデバイスを含め、デバイスの発熱密度が上がったため、これを放熱する設計に対し、既存の材料ではもはや間に合わない事態がおき始めている。特に絶縁を必要とするセラミックス基板において、顕著な事例がでてきている。 この放熱の問題を解決するための材料の紹介と熱伝導のモデルを分かりやすく解説する。