第1部: 細胞培養加工の工程設計入門
(13:00〜15:00)
本邦の再生医療等領域に関わる人材は現時点で豊富とは言えず、研究開発分野と製造 (の最適化) 分野にまたがるケースが多く見受けられる。しかしながらこの二つは明確に求められる領域が異なっており、例えるなら「決まった料理を材料を吟味して美味しく作る」段階と「作られた料理を日本全国のチェーン店で安定して提供できるようにする」段階は、区分して考えなければならない。今回は、製造を見据えた開発時の適切な工程設計のポイントについて解説する。
- 細胞加工品 (物) の特徴を考えてみる
- 開発と製造
- CPFとはなにか
- CPFで動かせる工程の設計
- リスクマネジメントの必要性
- 設計はリスクベースドアプローチが基本
- ケースバイケースとはどういう意味か
- ケーススタディ:開発時において散見されるかたち
- パラメータの幅を考える
- 適切なSOP化と「逸脱」の設定
- 細胞加工の頑健性 (ロバストネス) とは
第2部: AIを活用した次世代のバイオ生産マネジメントシステム
(15:10〜17:10)
動物細胞や微生物の培養には、各種の生物工学的な指標が活用されてきた。例えば、生物にとって必須の酸素情報を扱うために酸素移動容量係数 (kLa) などがそれにあたる。このような指標には一定の有効性があるが、そのような指標のみで生物の培養状態が全て説明できないのも事実である。そのため従来の情報をAIのような最新技術を活用して解析しても、その情報がもつ不足を補う回答は得られないだろう。この課題を解決するため、ちとせ研究所では培養状態を説明しうる新しい情報を取得し、これを解析することで、従来の培養制御を超える次世代の制御を実現するための技術開発を進めてきた。
本セミナーでは、本開発を進める中で得られた、AI解析のために必要な培養データに求められる仕様や、様々なAI解析手法の特徴やそれぞれの限界などの知見を紹介し、バイオ生産に向けた技術開発の考え方や進める上でのポイントを解説する。また、それらの技術が応用された最新事例から、得られた情報が培養状態をどこまで掴むことができるのか、掴んだ情報を活用することでどのような制御が実現できたか等の実例を紹介する。
- はじめに
- バイオ生産が抱える課題
- データ駆動型モデリングの特徴
- バイオ生産の従来データの特徴
- 人に依存しない培養制御の目指す姿
- バイオ生産にAI技術を応用するために必要な基盤技術
- バイオ生産に求められるAI学習専用データの取得技術
- 効率的なAI学習を実現するためのデータ取得技術の実践と課題
- AIの各種モデリング手法の特徴
- データ駆動環境を支えるシステム
- AI技術を活用したバイオ生産の改善事例
- 培養の予測技術の実例
- 新規培養データを活用した培養環境の識別と生物情報の把握
- 培養状態に基づいた制御の最適化
- 制御値の精密制御による生産性の改善
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