ゴム・プラスチック材料は材料強度以上の力が作用すると、延性破壊、脆性破壊、クリープ破壊、疲労破壊などの破壊モードに基づき破壊が生じる。しかし、これらの破壊原因を調べるにはこれらの破壊の種別を調べることも大切ではあるものの、それだけでは不十分である。それは例え破壊の種別がわかったとしても、材料に問題があったのか外的因子による劣化現象が生じたのかはわからないためで、すると当然的確な対策もとれないわけである。
そこで、本講では破壊の種別とそのメカニズムを解説し、破壊原因追及のための各種分析・解析方法を紹介する。
さらには各種ポリマーの弱点を中心にポリマー選択の際の注意点を解説する。解析事例を交えて破壊現象の基本を説明する。
また、寿命予測の基本的な流れやポイントを解説し、予測された寿命の正しい解釈について説明する。
- 破壊現象、メカニズムとその形態
- 強度に係わる因子
- 応力集中と破壊
- 破壊の種類
- 脆性破壊
- 延性破壊
- 疲労破壊
- クリープ破壊
- 環境応力亀裂、溶剤亀裂
- オゾンクラック
- 破壊・破損の解析法
- 解析アプローチ
- 外観観察 形状、ウェルドライン
- 破面解析法と得られる情報
マイクロスコープとSEM
- 前処理法
- 材料分析法
- 元素分析
- 分離分析
- 化学構造解析
- 組成分析 (熱分析)
- 劣化分析法
- FT-IR
- DSCによる酸化開始温度
- GPC
- TG
- ESR
- NMR
- XPS
- EPMA
- 定量的劣化分析法
- 分子量及び分子量分布分析法
- 架橋密度の分析・評価法
- 不均一性の分析
- 各種ポリマーの特徴
- PS
- PE
- PP
- PVC
- PMMA
- ABS
- PA
- POM
- PBT
- PET
- PC
- NR
- NBR
- SBR
- FKM
- EPDM
- CR
- BR
- 寿命予測法
- 寿命の考え方
- 寿命予測モデル
- 劣化評価と寿命予測の関係
- 寿命予測の流れ
- 寿命予測のポイント
- 寿命のばらつき
- アレニウス法による寿命予測
- アイリング法による寿命予測
- 破壊・破損解析、劣化解析及び対策事例
- 加硫ゴムの破壊・破損
- 加硫ゴムのオゾン劣化
- 水道水中の残留塩素による劣化
- NBRの加硫不足による裂け
- プラスチックの破壊・破損
- 異物による破壊
- ポリカーボネートの溶剤亀裂
- ポリ塩化ビニルの疲労劣化
- ポリアセタールギアのオーバーヒーティングによる劣化破損
受講者の声
- 高分子の劣化や寿命評価に関する講義をこれまでなかなか見つけられず、寿命評価が悩みの種でした。今回の講義は非常に有用でした。ありがとうございました。
- 高分子の劣化・寿命評価のとりかかりとして、非常に有意義な講義でした。
- ポリマー劣化の分析についてもっと詳しく伺えればよかったです (当方の需要が今回の講座の対象としてずれていたなと感じました)
- 大変参考になりました。講師の方の説明がとても分かりやすくテキスト資料も整理されており良かったです。
- 基礎的なところですが、あいまいな点を教えて頂いて、大変参考になりました。
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印刷物は後日お手元に届くことになります。
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