AFM (原子間力顕微鏡) の基本原理と操作・測定・解析方法の基本と最適化・有効活用方法

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本セミナーでは、汎用性の高い大気中および液中測定用のAFMについて、豊富なデータに基づき解説いたします。
装置の基本原理や操作方法、データの取得や解析方法まで解説いたします。
また、日頃のトラブル対策や技術開発相談にも対応いたします。

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AFM (原子間力顕微鏡) を所有しているが使いこなせない、AFMのデータ解析が難しい、フォースカーブがよく分からない、カンチレバーの選択法が分からない、AFMを導入したいが判断しにくい、などの様々な悩みを抱えているユーザーが多くなっています。AFMは「ナノテクノロジーの目」とも言われておりSEMなどと同様に高機能分析機器として一般化しつつあります。また小型で安価なことから企業の基礎開発部門に多く導入されるようになってきました。  しかしながら、実際に適切で効果的なAFM測定を行うには、基本原理や測定方法、そして解析方法などの基礎を習得する必要があり、測定が不調の場合は原因が不明のままとなり、活用範囲も形状観察程度の利用に留まっているケースが多く見受けられます。AFMを用いれば、試料表面の諸性質 (弾性率、導電性、帯電性、加工、相互作用力、付着性など) 、微粒子やレジストパターンなどの微小固体の諸性質 (付着性、マニピュレーション、帯電性) 、特殊測定 (液滴形状、ナノバブル観察) など、幅広い解析が効果的に行えます。  本セミナーでは、汎用性の高い大気中および液中測定用のAFMを中心に豊富なデータに基づき解説します。これからAFMの導入を検討される方、初めてAFMを操作される方にも分かりやすく装置の基本原理や操作方法、データの取得や解析方法についてまで解説します。特に、講師の経験に基づいて、AFMを導入および使用するユーザー側の視点に立って、技術ポイント、豊富な応用例や測定ノウハウを分かり易く解説します。また、AFMに関する日頃のトラブル対策や技術開発相談にも対応します。

  1. AFMの原理・基礎のポイント (これだけは理解しておきたい)
    1. AFM誕生の舞台裏 (開発の歴史)
      • G.Binnig氏
      • STMノーベル賞
      • 開発競争
    2. AFMでできること (長所と短所)
      • 分解能
      • アプリケーション
      • SEMとの比較
    3. AFMの基本システム構成 (基本ハード構成)
      • カンチレバー
      • ピエゾ素子
      • レーザー光学系
      • 付帯設備
      • 共振制御
    4. AFMの動作モード (ナノフォース検出)
      • コンタクト
      • ノンコンタクト
      • タッピング
      • フィードバック方式
    5. 原子間力とは (測定の基本データ)
      • L.J. potential
      • Van der Waal’s力
      • London分散力
      • Keesom極性力
      • クーロン力
    6. 原子/分子像が得られる理由 (ばね定数の最適化)
      • 表面力測定器 (SFA)
      • 表面粗さ計との比較
    7. フォースカーブの理解 (AFMの動作ポイント設定方法)
      • pull-in/pull-off力
      • potential場
      • Qカーブ
      • 振幅/位相検出
    8. 表面像の不確定要素 (得られた像は実像なのか?)
      • 探針の曲率半径
      • 熱ドリフト
      • 逆テーパー
    9. ナノスケールの寸法校正 (原子配列の観察)
      • マイカ格子配列
      • ピエゾ非線形問題
      • ばね定数の変動問題
    10. AFM測定の誤差要因 (精度の高い測定のために)
      • AFMシステム
      • カンチレバー探針
      • 測定資料の最適化
    11. 適切なAFMの機種選定方法 (導入後の最適な運用ために)
      • 用途に合ったオプション設定とは
      • サービス対応
  2. AFMの最適化のノウハウ (サンプル作製、性能維持と動作不良対策)
    1. 設置環境からのノイズ対策 (バックグラウンドノイズ対策)
      • 温湿度
      • 除振法
      • 音声
      • 帯電
      • 機器ノイズ除去
    2. 測定サンプルの作成と調整と保存 (ソフトノイズ対策)
      • 薄膜
      • 微粒子
      • 粘性液体
      • バブル
      • 吸着水
      • 有機汚染と保管方法
    3. 探針先端へのサンプル修飾 (機能性向上)
      • 導電性コート
      • 微粒子付与
      • 塗布膜コート
    4. カンチレバーと探針の性質 (どのようにして選ぶのか)
      • 材質
      • 先端曲率半径
      • マッチング感度
      • ばらつき
      • ばね定数の校正
    5. 探針のメンテナンス方法 (汚染と摩耗対策)
      • 先端摩耗による影響
      • 探針の保護
      • 疎水化処理
    6. 探針の追従性とノイズ対策 (クリアな像を得るには)
      • Feedback制御
      • ゲイン調整
      • サンプル固定
    7. 表面の吸着水の影響 (湿度依存性)
      • 液滴凝縮
      • ラプラス力
      • 乾燥空気
      • N2ガス
      • 減圧
    8. 光学系の最適化 (感度校正)
      • レーザーポイント変動
      • Sensitivity調整
    9. ピエゾステージのドリフト対策 (熱対策)
      • ヒステリシス
      • 発熱
      • 位置変動の校正
    10. サンプルの表面粗さ依存性 (接触面積の影響)
      • 探針の吸着力
      • 摩擦力
    11. 液中での測定方法
      • 簡単なバージョンアップ
      • 粘性
    12. 各種サンプルの測定条件の最適化
      • 薄膜
      • 微粒子
      • 高分子
      • 複合材料など
  3. AFMの有効活用のポイント (適用事例と解析方法)
    1. 探針と試料表面との接触変形とは
      • Hertz理論
      • DMT理論
      • JKR理論
    2. 固体表面の動的粘弾性測定
      • 膜内フィラー
      • 複合材料
    3. 固体表面の凝集性解析
      • 薄膜の硬さ
      • 摩擦特性
      • 表面硬化層の解析
    4. 固体表面の弾性率測定
      • 固体表面と微細パターンの弾性率解析
    5. 表面エネルギーの測定
      • 微粒子、表面処理との相関
    6. 表面吸着性の解析
      • 表面の経時変化
    7. 化学力顕微鏡 (CFM) への応用
      • 親水/疎水複合構造の解析
    8. 薄膜及び微細パターンの付着性解析
      • DPAT法
    9. 微粒子の付着性/除去特性 (凝集分散解析)
      • 粒径依存性
      • Derjaguin近似
      • マニピュレーション
    10. ナノペースト粒子の凝集性
      • 焼成時の粒成長
    11. 微粒子の核成長と平坦性
      • 核生成理論
      • 結晶粒
      • 膜表面粗さ
    12. 固体表面の帯電制御
      • 帯電分布と除電性
    13. 微小液滴およびファインバブル観察
      • 識別方法
    14. 微小固体のナノマニピュレーション
      • 移動・加工と凝集性解析
    15. 微細パターン描画 (ナノ陽極酸化法)
      • 印加電圧
      • 湿度依存性
  4. 質疑応答
    1. 日頃の技術開発・トラブルの個別相談に応じます。
  5. 付録資料
    1. 表面エネルギーによる濡れ・付着性解析

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