プラスチック成形部材の劣化・破損・破壊のメカニズムと評価・改善方法、破面の特徴、トラブル対策

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本セミナーでは、ブラスチック成形の品質管理の基礎から解説し、プラスチック成形品の設計時の考え方、劣化・破損・割れ・破壊に至るメカニズム、劣化要因の推定と対策、プラスチック部材・成形品の劣化に対応した品質管理、環境応力割れ性の評価、トラブル事例や材料の選定基準の見直しについて、成形工程へのフィードバック事例から解説いたします。

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プログラム

プラスチック部材が設計どおりの機能や耐久性を有することを確認するためには、部材の劣化機構の調査や分析を実施し、劣化因子と劣化メカニズムを解明することが重要です。その上で、劣化を促進させることができる試験方法を考案し、試験データを蓄積することで、試験方法や合格基準を標準化することが必要になってきます。一般的な劣化現象は大きく8種類に分類されますが、実際に現場で発生する劣化は必ずしも1つの現象だけで完結するものではありません。  ここでは、実環境下での最大の劣化因子であるとされている「環境応力割れ性」を解説します。まず、環境応力割れの現象やメカニズムを理解した上で、それらを実験で確かめる評価方法として「1/4楕円法」を取り上げ、その評価装置や評価基準などを示します。その上で、実際の評価事例を紹介します。また、ソルベントクラックやストレスクラックとの違いを説明し、環境応力割れの破面の特徴を示します。次に、上記の実験的な評価方法とは異なり、机上計算で算出する「溶解度パラメーター」を用いた解析方法を紹介します。そして、実験による評価方法 (1/4楕円法) と、解析による評価方法 (溶解度パラメーター) の2つの手法を駆使することで、プラスチック部材の品質管理を行う方法を、事例を挙げて紹介します。最後に、得られた評価結果から、材料の選定基準の見直しや成形方法の改善などにフィードバックしている取り組み事例を6件紹介します。

  1. プラスチック成形加工品の品質管理の考え方
    1. プラスチック成形加工品が完成するまでの流れ
    2. 材料における長期耐久性について
    3. プラスチック成形加工品の品質管理スキーム
    4. トラブル発生時のクレームの流れ
    5. トラブル発生時の解決の流れ (基本)
  2. 劣化に対する考え方
    1. プラスチック成形加工品の材料設計の考え方
    2. 料/設計ミスマッチの不具合発生条件
    3. 成形品の経時劣化と機能低下
    4. プラスチック成形加工品の劣化因子分類
    5. プラスチック成形加工品の劣化現象一覧
  3. 実際の製品で発生する劣化現象
    1. 実際の製品で発生する劣化の要因別割合
    2. 材料設計面からの対策
    3. 劣化因子分類からの対策
  4. 環境応力割れ現象のメカニズム、破面の特徴
    1. 環境応力割れ現象とは
    2. 環境応力割れのメカニズム
    3. ストレスクラック/ソルベントクラックとの違い
    4. 破面の特徴
    5. 環境応力割れを起こしやすい因子
  5. 1/4楕円法による耐環境応力割れ性の評価方法と基準
    1. 耐環境応力割れ評価方法 1/4楕円法
    2. 1/楕円法による評価基準
    3. 材料面からの環境応力割れ対策
    4. トラブル発生時の解決の流れ
  6. 溶解度パラメーターによる耐環境応力割れ性の評価方法と基準
    1. 溶解度パラメーターとは
    2. Fedorsの溶解度パラメーター
    3. Hansenの溶解度パラメーター
    4. FedorsとHansenの溶解度パラメーターの違い
    5. 溶解度パラメーターによる耐環境応力割れ性の評価方法
    6. 界面活性剤による耐環境応力割れ性評価事例
    7. 溶解度パラメーターとクラックの関係
      • 環境応力割れ
      • ソルベントクラック
      • ストレスクラック
    8. 溶解度パラメーターの環境応力割れ以外への活用
  7. プラスチック成形部材の劣化事例と対策
    1. ABS樹脂の環境応力割れと対策
    2. アクリル樹脂のウエルドライン疲労割れと対策
    3. ABS樹脂のウエルドライン割れ
    4. PPE樹脂の環境応力割れと対策
    5. 塩ビ樹脂からの可塑剤の移行によるトラブルと対策
    6. POM樹脂の加水分解と対策
    7. 劣化事例のまとめ一覧表
    8. トラブル発生時の解決の流れ (理想と現実)
    9. 対策改良品の変遷例
    10. 健全なプラスチック部材のための成形体制
  8. 質疑応答

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