5Gから6Gへ、DXが加速され、高速・大容量通信/データ処理がもとめられる現在、民生用から産業用はもとより、軍需やスペース (宇宙) 開発用途まで必須とされ『産業の米』と称される半導体は、激化する米中覇権争いの中で、経済安全保障にはなくてはならない『戦略物資』とまで言われるようになってきた。半導体関連業界においては、この四半世紀の間に水平分業化が加速し、半導体製品の安定調達を確保するためには、半導体そのもの (Siデバイス) はもとより、後工程の組み立て/テストやEMSなど、安定したサプライチェンの確保が重要であり、半導体産業のリーダーである米国でも、最近OSAT (Assembly & Test) への注力を積極的に行っている。世界一のファウンドリーメーカーの誘致に成功した日本が次になすべきこと、それは米国と同様に、後工程への注力であり、過去には世界一と言われた『実装技術 (Packaging) 』関連産業の復活・復権と言えよう。
本講では、その実装技術に焦点を当て、実装技術の変遷を振り返り、現状と課題を探る。5G時代に求められるコアテクノロジー、FOWLPや2.5Dなどの新しいパッケージング技術について、事例を紹介しながら解説する。ムーアの法則、半導体の微細化による性能向上の限界が危惧されている中で、飛躍的に増大するテータ・情報量に対応すべく、HPC (High Performance Computing) やAI対応のソリューションとして注目されている、Multi-Die SolutionやChip-letについて、その現状と課題について考察する。System Integrationの本命はSoC (ワンチップ化) か、Multi-Dieか、Silicon-Dieの分割/小形化、Chip-letの採用で期待される効果などを解説し、事例を紹介しながら課題について検討する。6G時代の到来を見据え、加速する『デジタル化社会』における我が国 (日本) の取り組みに焦点を当て、半導体および関連産業の重要性について考える。
- 背景
- DX時代の波、5Gから6Gへ、
- データ爆発、情報量の増大、AI活用時代の幕開け
- More-MoorからMore-Than-Moorへ、
- エレクトロニクス業界の現状
- 実装技術の役割り、System Integration とは
- 実装技術の変遷と現状
- 水平分業化の加速、業界の現状
- 新しい実装技術の潮流、各社の事、現状と課題
- Flip Chip/Wire Bonding Package
- Fan-Out Package
- Embedded Technology
- 2.1/2.3/2.5/3D Package
- DX時代に必要な実装技術とは
- 『チップレット』の提案
- Chip-letとは
- ダイの小形化とチップレットの効果
- 事例にみるマルチダイ・ソリューションの現状
- Intel
- TSMC
- Samsung
- AMD
- Others
- 現状の取り組みと課題
- Interconnection (どのように付けるか)
- Networking/Wiring (どのように繋ぐか)
- 量産・実用 (アッセンブリなど) の課題
- 日本の『半導体/デジタル戦略』と取り組み
- まとめ
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