日本は、2025年6月にPL制度が完全施行となり、同時に改正PLも施行される。改正PLは、主に重複物質や類似物質名の統廃合であり、PLは2つに統合された。しかし、モノマーのコード化は日本だけのルールであり国際整合化の面から課題が残りそうである。溶出試験条件改正は、2024年11月に総溶出量と食品擬似溶媒の採用等がパブコメ募集をしたが、紙や接着剤の基準化等のテーマは手付かずのままである。又、再生プラスチック指針が改正され、ケミカルリサイクルは試験不要となった。
EU規則は、今や世界標準になったが、PFAS (フッ素含有化合物) とビスフェノールAの使用禁止を決めた。米国は、独自の製品登録制度が定着し、中国は接着剤等の国家標準を制定した。ASEANは、EU類似の共同基準を審議中であり、近い将来アジアはEU規則に染まりそうである。又、国連環境計画会議は、プラスチック汚染防止条約の最終的審議となったが、PS等の規制案が決まると日本に大きな影響が出そうである。
本講では、日本及び世界の食品包装法規制の最新動向と展望、有機フッ素化合物 (PFSA) や包装廃棄物問題等のトピックス、及び企業の実務対応のポイントに関し解説する。
- 初めに – 包装を取り巻く環境 -
- 食品包装の安全性とは何か
- 日本の食品包装の法規制類
- 食品包装材料の種類と使用割合
- 食品衛生法
- 業界自主基準:紙・印刷インキ・接着剤のNL
- 欧州連合 (EU) の規制
- 食品接触物質とプラスチックの規制、モノマーと添加剤のPL
- スイスの印刷インキのPLとEUの審議状況
- ビスフェノールA使用禁止、フランスの鉱油使用禁止規制
- 包装・包装廃棄規則案の審議状況、PFASの使用禁止案・世界の規制動向
- 米国の規制
- 連邦規則集と食品接触物質、物質名と製品名の2つのPL
- 紙と接着剤のPL
- 日欧米の現状比較と日本の課題、及び食品衛生法改正の進捗状況
- 厚労省の8つの課題とその進捗状況
- PL制度化の進捗状況と改正PL
- 規制対象と4つのPL、改正PLと施行時期、経過措置期間、PL適合伝達方法
- 印刷インキ業界の証明事例、海外メーカーの文書による適合証明例
- 現時点における制度上の課題、消費者庁のQ&A集
- 溶出条件改正案
- 再生プラスチック指針改正と業界の工業会状況、米国の状況
- その他の国の最新動向
- 加、中国、韓国、台湾、ASEAN、インド、インドネシア、ベトナム、タイ等
- オセアニア、湾岸諸国、南米南部諸国等
- 食品包装規制の最新動向のまとめと展望
- 包装材料に含まれる化学物質と企業におけるリスク管理
- 国連環境計画 (UNEP) におけるプラスチック汚染防止条約審議状況
- 法規制情報の入手方法と情報源
- まとめ – 実務対応のポイント -
- 参考文献と情報入手先
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