衝撃荷重に対する耐久性や、衝撃吸収性能の評価を必要とする設計要件は多くの産業分野に存在します。その代表的な例は自動車の衝突シミュレーションであり、乗員の障害評価のため必要不可欠なものとなっています。また、スマートフォンのようなモバイル機器の落下衝撃対策も製品の機能を維持するための重要な検討項目です。さらに、津波や竜巻など、激甚化する災害に対する建築物の設計基準も大きく見直されてきています。こうした製品の衝撃応答をとらえるためのアプローチとして、理論、実験、数値解析の3手法が考えられますが、本セミナーではこのうち理論と数値解析に焦点を当てて解説します。
陽解法動的有限要素法による衝撃解析を基礎から実際の応用例まで紹介し、特に解析担当者が衝撃解析でしばしば直面するエラーや想定外の結果を修正するための具体的なテクニックを説明します。理論的なアプローチは解析結果を検証する手段としても有効であることを示します。
- はじめに
- 衝撃問題へのアプローチ
- 衝撃荷重に対する構造物の応答
- 衝撃問題を解明するための様々な方法
- 衝撃工学および衝撃解析に必要な基礎知識
- 古典力学による衝撃問題の解法
- ニュートン力学の応用
- ヘルツの接触理論
- 動的有限要素法
- 有限要素法の基礎知識
- 動的有限要素法の解法
- 動的陰解法
- 動的陽解法
- 時間積分の解の安定条件
- 動的陽解法の時間増分の計算方法
- マススケーリング
- 要素テクノロジー
- 衝撃解析に用いられる要素の種類と特徴
- アワーグラスコントロール
- 接触計算アルゴリズム
- 接触計算アルゴリズムの分類と特徴
- 接触サーチアルゴリズム
- 接触力アルゴリズム
- シェル要素の接触計算
- エッジコンタクトロジック
- タイドコンタクト
- 接触エネルギー
- 物性材料モデル
- 衝撃解析における材料モデル
- ラジアルリターンアルゴリズム
- 人工粘性
- ひずみ速度依存性
- 代表的な材料モデル
- 実務上の応用とポイント
- モデル作成の前に
- モデル作成における注意事項
- QAチェック
- エラー回避方法
- 実験とのコリレーションのポイント
- 衝撃解析に関する最近の話題
- 流体構造連成による衝撃解析事例
- 複合材料の衝撃解析のモデル化手法
- 高精度な破壊モデル
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