再生医療を含めた国際共同治験の進め方と各ステージ毎における対応手法

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国際共同治験とは、複数の国や地域で同時に行われる治験のことである。ICH-GCPを基盤とするため、英語での統一プロトコルを必要とする。迅速な新薬開発や症例数確保などのメリットがある一方、各国の規制や基準に従う必要があり、治験計画や実施方法の調整に難しさも伴う。近年、創薬技術の進歩により、民族的要因の検討を要する再生医療等製品や核酸医薬品等の創薬が進んでいる。この際、必要要件を考慮し、どのように国際共同治験を組んでいくかは戦略上重要なものとなっている。  本講座では、このような新たなモダリティーを中心に、国際共同治験の実施方法を考察してみたい。

  1. はじめに
    1. 国際共同治験の意義
    2. 世界の創薬トレンドと新規モダリティーの特徴
  2. 国際共同治験 (グローバル治験) とは
    1. 国際共同治験の定義
    2. ICH-E7 (ICH-GCP) とは
      • 日本のGCPとの違い:
        • 契約の主体
        • 治験審査委員会 (IRB)
        • 副作用の報告
        • 治験薬の管理など
    3. CMC: 被験薬概要書 (Investigater’s Brochure) の作成と被験薬の管理
  3. 国際共同治験の特徴
    1. 主な特徴:
      • 統一プロトコル
      • 多国籍参加: 各国の規制当局の要件、患者の多様性
      • 英語の使用: 資料や会議での翻訳・通訳作業
    2. 国際共同治験のメリット
      • 迅速な新薬開発: 世界中で同時に新薬を開発・承認できる
      • 症例数の確保: 多くの症例を短期間で集める。特に希少疾患。
    3. 国際共同治験のデメリット
      • 調整の難しさ: 各国の規制や基準の違い、治験計画や実施方法の調整に難
      • 英語力の必要性
    4. CROの選定
      • 製薬会社とCROとの効率的な協業体制構築
      • プリファード契約
  4. 国際共同治験の手順
    1. 治験の実施可能性調査、治験計画書の作成
    2. 規制当局への申請と承認
    3. 治験実施機関の選定と治験実施契約の締結
    4. 治験審査委員会 (IRB/IEC) の承認倫理委員会の承認
    5. 治験の準備と実施
      • 被験者の募集と同意取得
      • 治験計画書
      • 治験薬の供給
      • データ管理システムの設置
      • 治験担当者のトレーニング、モニタリング
      • データ解析と報告・申請
  5. 国際共同治験実施のポイント
    1. 規制の遵守: ICH-GCP (国際的な臨床試験のガイドライン) の準拠国
    2. 民族的要因の考慮
    3. データの一貫性と記録の方法
    4. 症例数の設定:日本人を含む各地域の必要症例数
    5. 規制当局との連携:各国の規制当局との相談・コミュニケーション構築
    6. 監査 (Audit) 、査察 (Inspection) への対応
    7. FDA、EMAへの対応
  6. アジア治験の特徴
    1. 多様な人口構成:
    2. 規制環境の違い
      • 日本PMDA
      • 韓国MFDS
      • 中国NMPAなど
    3. 医療インフラの差異
    4. 民族差の研究
    5. 国際共同治験の推進
      • ATLASプロジェクト
      • 豪州治験
  7. 新規モダリティーの実施事例
    1. 日本のドラッグロス・ドラッグラグ
    2. 核酸医薬品
      • DMD治療薬「エテプリルセン」の事例
    3. 再生医療等製品
      • 細胞治療薬
        • DLBCL治療薬「キムリア」の事例
      • 遺伝子治療薬
        • SMA治療薬「ゾルゲンスマ」の事例
  8. まとめ
  9. 質疑応答、討論など

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