近年AI分野の1つである機械学習がIT分野から産業分野へ広がってきています。製造現場、工場設備、オフィス施設への管理制御システムに機械学習を応用するニーズが急増しています。しかし、現場実装には、環境や機器の制約やデータ収集の質・量の制約など、IT分野とは異なる課題があるのは実務技術者の知るところです。
本セミナーでは、AI機械学習の基礎であるニューラルネットと強化学習の原理と適用事例を並行して関連づけながら実装方法を説明します。特に、制御対象システムの時系列データを収集して学習データとして使える状態にする現実的なノウハウに力点を置いて解説します。
最後に近年IT分野で注目を浴びている生成AIの基盤技術であるTransformer時系列ニューラルネットの原理概要を説明したあと、制御を含む産業分野への適用研究状況を展望します。
- はじめに
- AI機械学習
- システム制御の分野へのニューラルネットなどAI機械学習の導入の状況
- 制御へのAI機械学習モデル応用
- 時系列専用ニューラルネットや予測モデル最適制御や強化学習制御の現場導入
- 制御予測モデリング
- ニューラルネットの基礎
- 実例1:インバータ電力制御ステップ応答
- 単純な4層ニューラルネットによりステップ応答予測モデルを作る簡単な実例
- ニューラルネット最適探索制御
- 最適探索アルゴリズムの基礎
- 予測モデルを用いて将来にわたり最も評価関数を高くする探索制御の初歩
- 実例2:ビル空調電力料金最適制御
- 料金単価が変動するとして一定期間の電気代を最小化する探索制御への応用例
- 強化学習による転移学習制御
- 強化学習の基礎原理
- 教師データが得られない場合に有効な強化学習の原理を初歩から説明
- 実例3:ビル空調電力Q-Learning制御
- 消費電力と快適性をトライアンドエラーで学習しながら制御した実際例
- AI機械学習制御の実践手順
- LSTMニューラルネットの基礎
- 長い時系列から次ステップ出力を予測する専用ニューラルネットの紹介
- 実例4:設備の保全運転発生予知
- 通常運転が積算していき急に保全運転が必要となる時系列予測の実施例
- AI機械学習制御の実践手順
- 初めてのAI学習制御の試行手順
- 産業現場に初めて導入するチームを想定したプロジェクトの流れを紹介
- 機械学習ツールか自作学習ソフトか
- ツールで容易だが内部不明で、自作は原理理解と内部チェック可能
- モデルのチューニングノウハウ〜ツール内部の観察法
- 時系列データ収集ノウハウ
- 時系列データ収集システム構築
- 時系列データ収集専用IoT通信システム「IEEE1888」の実装紹介
- 時系列データ収集モジュレーション法
- 通常運用状態を維持しつつ小信号ステップ応答指令を埋め込む方法
- 時系列データ補正SMOTE法
- なかなか実測できない時系列パターンを人工的に増強する定番手法
- 生成AIと時系列データ
- 生成AIの技術基盤Transformer
- ChatGPTの内部にある最先端時系列ニューラルネット紹介
- Transformerの時系列制御への応用研究動向
- 自然言語の時系列から産業監視制御の時系列へと応用研究
- Transformerによる産業応用の研究例
- まとめ