マイクロ波の各種産業プロセスでの利用とスケールアップ

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本セミナーでは、マイクロ波技術の基礎から解説し、有機・高分子合成、無機ナノ粒子合成、ゴム加硫などの応用事例について解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 マイクロ波を用いた化学反応 ~基礎から化学プロセス利用まで~

(2012年8月30日 10:30〜11:50)

 振動電磁波であるマイクロ波は、加熱技術として優れているだけでなく、電気エネルギーを直接、化学反応に注入するあたらしい手法として、化学技術開発研究者の方々にその潜在的可能性を理解していただきたいと考えています。  マイクロ波を利用したことのある方、あるいは利用したい方には、学問的基盤がどこまで整い、スケールアップなどの実用化についてどこまで蓄積があるかという情報をお渡ししたい。  新しい化学技術として情報を必要としている方には、全貌をおおまかに把握する内容をお見せしたい。  すでに成熟した化学技術、化学プロセスにおいて、既存の技術では解決できない課題、問題を扱う新しい手段のひとつとしてマイクロ波技術をお伝えしたい。  これらが、今回の講演の狙いです。

  1. 概観
    1. マイクロ波と物質の相互作用
    2. 加熱機構
    3. どのような化学物質が加熱されるか
    4. 化学物質加熱利用
    5. 今までどのように利用されてきたか
    6. 化学系にどんな効果が期待できるか
  2. いままでのマイクロ波化学
    1. 有機化学
    2. ポリマー化学
    3. 無機化学
    4. 材料化学
    5. セラミックス化学
    6. 特殊効果
  3. 化学物質製造への利用
  4. 講演者の研究例紹介
    1. 無機ナノ粒子合成
    2. 触媒反応のマイクロ波制御
    3. 環境関連反応、
  5. マイクロ波の特殊効果
    1. 非平衡局所加熱
    2. 吸熱反応に対する効果
    3. 電子移動反応に対する促進効果 (酸化還元反応の促進)
  6. 化学物質プロセスへの利用
    1. 国内外における利用状況
    2. 何ができるか
    3. 何を研究開発する必要があるか
    4. スケールアップをどう解決するか

第2部 有機・高分子合成におけるマイクロ波利用と実用化への道

(2012年8月30日 12:40〜14:00)

 マイクロ波は、物質を内部から直接加熱する高速で均一な加熱源として食品の乾燥や調理、ゴムの架橋、セラミックスの乾燥・焼結等の産業分野でも広く活用されている。  有機合成化学や高分子合成分野でも反応の超高速化や選択性向上、無溶媒化等の大きな効果が見いだされ、省エネやCO2排出削減、環境負荷や製造コストの低減など多くのメリットが期待され、これらを活用した化成品のオンデマンド製造やバイオマス活用や廃棄物処理のためのオンサイト製造など新しいビジネスモデルも提唱されている。  有機・高分子合成分野では、これまでのところほとんどがデスクトップ実験とその検証試験レベルにとどまっていたが、近年、スケールアップや流通型反応装置の開発も世界各国で精力的に進められるなど、より生産量の大きな製品への展開も期待されている。  ここでは、当研究グループで開発したポリエステル樹脂の合成プロセスについて紹介するとともに、有機合成や重合プロセスへのマイクロ波の応用の現状について概説し、スケールアップなど実用化に向けた取り組みについて紹介する。

  1. 有機・高分子合成におけるマイクロ波効果
    • マイクロ波加熱の原理・特徴
    • マイクロ波加熱の現状 (どこまで分かっているのか、何が分かっていないのか)
  2. 有機・高分子合成におけるマイクロ波加熱の各種応用例・現在の研究開発動向
    • 有機合成化学
    • ポリマー合成
    • バイオマス・廃棄物利用への応用
  3. 実用化への取り組み
    • スケールアップ技術
    • 流通型反応装置

第3部 高効率・低コスト マイクロ波化学工場の要と産業化普及の展望

(2012年8月30日 14:15〜15:35)

 東日本大震災に起因するエネルギー不足や地球温暖化などの社会的課題を解決する為の手段として省エネルギー・高効率の革新的な環境技術へのニーズが高まっているなか、従来技術より1/5~1/20の効率性を実現するマイクロ波化学プロセスが注目されている。  このような中、当社は世界初となる大規模マイクロ波化学プラントの立上に成功した。今後はさらなる大規模化と普及を目指している。

  1. 当社マイクロ波プロセスの技術的背景
    1. 反応系の確立
    2. ハイブリッド触媒
    3. スケールアップ
    4. 制御システム・安全性
  2. マイクロ波化学プロセスの事業化
    1. 事業機会と現状
    2. 経緯
    3. 事業戦略
    4. 今後の展望

第4部 マイクロ波加熱装置の構造と特徴・展望とスケールアップ

(2012年8月30日 15:50〜17:10)

 現在販売しているマイクロ波加熱装置の構造と特徴を示すことにより、マイクロ波利用の効果を明らかにして、将来を展望する。  そしてマイクロ波応用装置のスケールアップについて、方法と限界を述べる。

  1. はじめに
  2. マイクロ波とマイクロ波加熱の原理と特徴
    1. マイクロ波
    2. ISM周波数
    3. マイクロ波加熱の定義と原理
    4. 物質が吸収するマイクロ波電力
    5. マイクロ波加熱の特徴
  3. 電波漏洩に関する安全基準
    1. 電波防護指針 など
  4. 工業用マイクロ波電力応用装置の現状
    • 茶葉火入れ装置/ごま焙煎装置
    • ゴム連続加硫装置
    • セラミック乾燥装置 など
  5. 工業用マイクロ波電力応用装置の展望
    1. 期待できる応用分野
  6. スケールアップについて
    1. 工業用加熱装置におけるスケールアップ法
      • 実験装置に要求される仕様
    2. スケールアップを妨げる要因
      • 付加価値とランニングコストのバランス
      • マイクロ波放電

会場

連合会館
101-0062 東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
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