本セミナーでは、低環境負荷の植物由来原料を用いた接着剤の開発について基礎から解説いたします。
合成樹脂に負けない特性発現・応用展開に向けた研究開発動向を解説いたします。
(2012年8月30日 12:40〜13:50)
ポリアミド系ホットメルト材料の分野では、ポリ乳酸のようなバイオマスプラスチックが注目されるよりも以前より、セバシン酸やダイマー酸といった植物由来の原料が使用されており、既に長い実績を有している。例えばナイロンベースの共重合ポリアミド系ホットメルト材料は、衣料用接着芯地や自動車内装材用のホットメルト接着剤として使用されている。 本講演では、ナイロンベース共重合ポリアミドの設計とひまし油を原料とするモノマー原料、およびホットメルトとしての特徴と用途を紹介する。
(2012年8月30日 14:00〜15:10)
普段我々は、接着剤の恩恵を被って便利な生活を送れていることを意識する事は少ない。しかしながら、接着剤は日用品に留まらず、建築分野、自動車工業分野、医療分野、エレクトロニクス分野など多岐に渡る活躍を見せている。少し大げさに言えば、接着剤無しでは我々の便利な生活は成り立たないと言っても過言ではない。また、接着技術は近年目覚ましく発達しており、特に環境負荷の小さい植物由来接着剤は大きな話題となっている。 本講演では、ポリフェノールや桂皮酸類をベースとした、植物由来接着剤樹脂の分子設計とその接着特性に関して、科学的に裏付けられた最新の技術を紹介する。
(2012年8月30日 15:20〜16:30)
樹木はセルロースおよびリグニンを主成分とし、その中でリグニンはセルロース繊維の接着剤としての働きを担っている。リグノフェノールはリグニン由来の木材抽出物で、石油資源に置換え得る工業原料として期待されている環境適合型新素材である。 まずはリグノフェノールの製法と、その性質について説明する。さらに、リグノフェノールを原料とするいくつかの工業的利用法の開発を試みてきた中で、木材用接着剤、ポリウレタン系およびエポキシ樹脂系接着剤について検討した結果について述べる。