光硬化技術は、反応性の液状材料に光照射することで硬化物を得る技術です。省スペースでの高速硬化が可能であるため熱硬化に比べて経済的であり、また、溶剤を用いないため環境保全の立場からも注目されています。このように多くの利点を有していますが、実用化に当たっては、その硬化機構を理解しておかないと各種のトラブルが発生する場合も多く見受けられます。
この技術は、液特性、光反応性、硬化物物性等のさまざまな調整が必要であり、各種の要素技術の組み合わせから成り立っています。その結果として技術的な内容が多岐にわたり、一見複雑に見えるかもしれません。この分野に興味を持たれた初心者の方たちの中には、習得するのが大変そうだなと思われている方も多く見受けられるようです。しかし、個々の要素技術の基本をきちんとイメージとして捉えて、その関係を理解することで全体像をザックリと捕まえることができれば、理解は一気に容易になるでしょう。
本講座では、液体が固体と変化するという光硬化の過程について全体を俯瞰できるように配慮しながら、できるだけ多様な切り口からの説明を行います。また、図を多用することで直感的なイメージとして理解できることを目指します。
- はじめに
- 光硬化型材料とは?
- 理解へのアプローチ
- 本講座の進め方
- 液体と固体の違いについて
- 結晶と液体の違い
- 流れるということは?
- ガラス状態とは?
- 液状樹脂が固まるということ
- 液状樹脂が固まるということ
- 高分子とは
- ネットワーク構造の形成
- 光開始重合反応について
- 光開始ラジカル重合のポイント
- エン・チオール系のラジカル反応
- 光開始カチオン重合について
- 光硬化型材料の構成要素について
- 光ラジカル硬化に用いられる反応性材料
- 光開始剤について
- その他の添加剤
- 硬化型材料の評価について
- 液特性の評価
- 硬化特性の評価
- 硬化物物性の評価
- 固体の破壊について
- 高分子固体の力学的な振る舞い
- ガラス状態の破壊
- ゴム状態の破壊
- UV 硬化技術を有効に利用するためのコツ
- 液特性を調整するためには
- 粘度を調整するには?
- 濡れ性とレベリング性を調整するには?
- 液状態での安全性を向上するには?
- 硬化阻害要因とその対策
- 開始反応の効率向上とは?
- ラジカル重合での硬化阻害とは?
- カチオン重合での硬化阻害とは?
- 硬化反応を効率よく行うためには
- 暗所での硬化を促進するためには?
- 照射光と光開始剤のマッチング
- なぜ重合停止が優先してしまうのか?
- 密着不良の対策
- そもそも密着性とは?
- 硬化収縮と応力集中の関係について
- 接着仕事と濡れ性
- Q&D (Question and Discussion)
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- 視聴期間は2024年11月20日〜29日を予定しております。
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