二酸化ゲルマニウム (GeO2) の特徴および最新動向

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本セミナーでは、新しいパワー半導体として大きな可能性を秘めた二酸化ゲルマニウムを取り上げ、二酸化ゲルマニウムの基礎的な物性、現状の課題、将来性について詳細に解説いたします。

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プログラム

大きな可能性を秘めた新しいパワー半導体材料である二酸化ゲルマニウム (GeO2) の特徴および、注目を集め始めた理由、社会実装の可能性についてお話します。GeO2は古くて新しい半導体で、熟練の半導体研究者・技術者の方はGe半導体基板の表面に形成する自然酸化膜を思い浮かべる方も多いと思います。  しかし、Ge表面に形成する酸化膜はアモルファス相のものですが、当研究室が注目しているのは、熱的最安定相であるルチル構造をもつ二酸化ゲルマニウム (r-GeO2) です。r-GeO2は水に不溶な薄膜となります。
パワー半導体として以下の3つの特徴があります。

 つまり、ホモエピタキシャル成長が可能でp型、n型の両伝導が可能、さらに大きなバリガ性能指数を持つ事から、パワーデバイスの新しい候補材料として一気に注目を浴びました。しかしながら、r-GeO2は飽和蒸気圧が大きな材料であるため、従来の真空装置を用いた製膜手法では作製が困難でした。例えば2020年にKioupakis教授のグループからMBEによる極薄膜の作製が報告されましたが、成長速度が10 nm/hとかなり小さいものでした。当研究室では、真空を用いない液相製膜手法を応用する事で2021年に1μm/h以上の成長速度をもつ厚膜の作製を行いました。しかしながら、その薄膜には低結晶化領域が含まれており、結晶成長条件の最適化などが必要です。この材料の合成上の難しさとして様々な結晶相が混入するという問題があり、初期のSiC研究に非常に似通っています。  本セミナーでは、材料の特徴から製膜手法、今後の展開についてお話をします。

  1. GeO2の可能性
    1. パワー半導体の基本と新材料
    2. GaNとSiCパワー半導体の今後
    3. GeO2の可能性
  2. なぜ、GeO2の薄膜合成はきわめて困難なのか?
    1. 真空成長手法による難しさ 〜GeO2の高い飽和蒸気圧の壁〜
    2. 非真空成長手法 〜ミストCVD法を例に〜
  3. GeO2厚膜の合成と高速成長
  4. GeO2のバンドギャップ変調
  5. 世界のGeO2研究と現状

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