タイ分子の基礎とプラスチック製品の高性能化

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本セミナーでは、世界で最も大量に使用されているポリエチレン (PE) 、ポリプロピレン (PP) を取り上げ、それらの性能向上にタイ分子を増やすという観点から、結晶構造の制御、分子構造設計がどのように関連しているかを説明いたします。
さらに、非晶相のタイ分子について、IR、ESR、力学物性、統計的手法など各種評価方法について解説いたします。

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プログラム

高分子製品のリサイクル、リユースまでの使用期間の長期化や、軽薄短小化 (リデュース) という観点から、結晶性高分子には、長期の機械的耐久性や衝撃に対する機械的強度の向上が常に求められており、これらの特性の発現にはタイ分子が関係していることが判っている。  このセミナーでは、まず代表的な結晶性高分子であるポリオレフィンを中心に、その触媒や製法、分子構造・結晶構造の基礎について学び、次に、タイ分子に深く関係する組成分布、ラメラ厚み分布、結晶への短鎖分岐の取り込みなどについて説明する。その後、弾性率や分光法によるタイ分子の測定例や統計的な求め方について、種々の研究例を用いて説明する。さらにタイ分子増大によるプラスチック製品の高性能化の方向性についても説明を加える。最後に、加工によってタイ分子を増やす方法として、Tダイ法やインフレーション法によるフィルム成形と高次構造形成の関係について解説する。

  1. 結晶性高分子の分子構造、結晶構造
    1. ポリオレフィンの基礎 (触媒と製造技術)
    2. 分子構造のキャラクタリゼーション
    3. 分子構造分布
    4. 結晶構造の基礎
      • 結晶系
      • 球晶構造
      • ラメラ晶
      • 配向結晶 等
    5. 結晶構造分布
    6. 分子構造分布が結晶構造分布にどのように反映されるか
  2. タイ分子と分子構造、結晶構造
    1. タイ分子の概念の確立 (高分子説からラメラクラスター理論まで)
    2. 房状ミセル構造からラメラ晶 (fold結晶) への変遷
    3. タイ分子の実験的定性・定量法
      • 弾性率
      • ESR
      • IR 等
    4. 統計的取り扱い
    5. IR法、ラマン法によるタイ分子の評価と結晶構造
  3. タイ分子の観点からの高強度化設計
    1. LLDPEの機械的強度
    2. HDPE (高耐久性能PE) の分子設計、製造法
    3. さらなる高性能化について
  4. 加工法と構造の形成
    1. Tダイ加工法
      • シシケバブ構造の形成と加工条件
    2. インフレーションフィルム成形法
      1. 構造形成過程
      2. 直鎖状PE/長鎖分岐PEブレンド
    3. 射出成形法

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