飲料水ボトルのポリエチレンテレフタレート (PET) ボトルが、我々の生活必需品として産声を上げたのは、1970年代のアメリカであった。その軽量で持ち運びに便利なPETボトルは安価であり、世界中に広まるにはあまり時間は掛からなかった。日本では容器包装リサイクル法 (容リ法) において他のプラスチックとは異なり、PETボトルはリサイクルの対象物として、回収が強化された。その結果、2022年にはリサイクル率が90%に迫る勢いで世界トップレベルの国となった。PETの解重合については、古くより数多くの研究者のターゲットとして注目を集めた。その結果、鹸化反応を用いた加水分解法や超臨界流体法さらには、熱安定性の観点の興味から高温熱水法、熱分解法など多種類の分解技術が研究および報告された。 当該講師は、徳田昌生氏 (前北海道大学教授) の「マイクロ波の有機合成への利用 – 電子レンジによる分子のクッキング」 (日本化学会、化学と工業、2003年3月号) に触発されて、2005年から、マイクロ波を用いたPETの解重合反応の研究について、アルカリ鹸化反応、酸化チタン触媒のエチレングリコール分解反応、その反応を用いて得られたBHETからの再ボトル化実験、さらには、水だけを用いた無触媒加水分解反応などの解重合反応について、一連の研究を遂行してきた。コロナ禍の2020年〜2022年には、阪本薬品工業株式会社との共同研究の中でグリセリンを用いたPETの解重合について研究を進めた。 今回のWebセミナーでは、グリセリンを用いた解重合を中心として、講師らがこれまで実施してきたPETの解重合技術について総括する。その中でマイクロ波の特長や利点、更には、使用するときの注意点なども含めた内容にする予定である。 これからマイクロ波を用いた研究に興味を持つ研究者および技術者、マイクロ波装置の選び方や価格帯の情報が欲しい方、さらには、小スケールのマイクロ波実験からスケールアップを目指したい研究者の方々に、ある意味、指針となる情報提供可能な内容ですので、強く受講をお勧め致します。
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