本セミナーでは、ペロブスカイト太陽電池の最近の研究動向を紹介した上で、必要な塗工・乾燥工程の要点を解説いたします。
ペロブスカイト太陽電池は、桐蔭横浜大学宮坂先生/小島氏による2008〜9年の発表が起源の技術である。塗布で生産できる事から、フレキシブルで設置場所の制約が少ない、低コスト・大面積の太陽電池システムが期待されている。基本材料として有機無機ハイブリッド (ハロゲン化鉛系半導体CH3NH3PbI3) の他に複合材料/材料のブレンド、鉛フリー (ダブルペロブスカイト他) 等も研究されている。材料以外に層構成 (メソポーラス構造の有無他) も大きく光電変換効率に影響する。耐久性についてはシール技術での実用化が進んでいるが、材料の改良も見られる。量産に向けて、塗布液と塗布方法の工夫が進められている。
近年、光電変換効率が高くかつ薄膜のペロブスカイト太陽電池が、開発段階から量産へのスケールアップに移行しつつある。安価に大量生産し得るRoll To Roll方式が検討されており、薄膜への貧溶媒滴下による2ステップ法あるいは塗工直後の送風による1ステップ法など、塗工・乾燥をリンクした特殊な工程技術が必要とされている。 本セミナーでは、ペロブスカイト太陽電池の最近の研究動向を紹介した上で、必要な塗工・乾燥工程の要点を解説する。素材開発に携わる多くの化学を専門とする研究者にとって、スケールアップに必要な塗工・乾燥の知識を得ようとしても、数式を羅列した化学工学の書物から本質を捉えにくいとの声も多いので、本セミナーは数式を排し、計算ツールや動画を活用した実習で現象をイメージ化できるよう解説する。
教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。