本講座は、1) 五訂日本食品標準成分表基礎データの作成、2) 天然物を含む多成分系の経腸栄養剤4品目並びに新薬1品目の医薬品製造承認申請、3) 試験方法の変更申請及び栄養食品等の開発に続くその品質管理を通して得た実務経験に基づき、分析の効率化及び分析値の信頼性を確保するための基礎から実務・応用に関する分析技術講座です。
本講座は、300枚を超える画像のテキスト教材で構成され、受講された方には、セミナーの聴講のみに終わることなく、その後においても機器分析に関する質問・相談に応じています。
分析担当者が試験・検査業務に終わることなく、社内ベンチャー的に試験分析センター業務から生まれた医薬品についても紹介する。
プログラムの主な事例;基礎編
本講座では、機器分析の基盤となっている分離分析法としてのHPLC及びその検出器でもある分光分析法 (紫外・可視吸光度法、蛍光分析法) の基本となる原理・現象を実例に則して図解により解説する。
- 吸光光度法の基礎知識
- 事例;吸光度0.2〜0.7の範囲で測定しなければならない理由
- 蛍光光度法の基礎知識
- 事例;蛍光強度は、溶媒の種類、濃度などの影響を受ける
- 分光器の光源ランプ及び分光セルの取扱・管理
- 事例;重水素ランプは、自らの紫外線によりランプの透過率が低下する。
- pHメータの基礎知識
- 計測機器及び物理・化学的試験に使用されるガラスの特性
- 定量分析値の有効数字の取り扱い
- 試験・実験室の安全管理 (海外事例含む)
プログラムの主な事例;バリデーションの実務・実践編
- HPLCによる定量分析測定値の信頼性を担保するための方法
- 事例1-1. 分析精度の担保・効率化;同時的バリデーション方法
- 事例1-2. 分析精度の向上;内部標準法、標準添加方法
- 事例1-3. 分析の効率化;選択性・特異性の高い2成分同時定量方法
- 事例1-4. 定量値の自己判断機能を持つ分析方法
- 事例1-5. 絶対検量線法を選択した場合のその妥当性の検証方法
- 分析法バリデーション
- 実用的許容範囲の目安となる設定値
- 感度・検出限界
- 定量限界
- 検量線の実用範囲
- 検量線の直線性、
- 精確さ;真度/精度
- 堅牢性 (頑健性)
- 回収率
- 自動化食品成分分析法の評価と検証
- 標準品のない場合の定量用基準 (標準) 物質の含有率定量法
- 一般に定量分析法は、比較定量分析法であるため測定対象物質と同一分子構造の標準物質を必要するため、その標準物質の純度 (含有率) の精確さは定量値を左右する。
本法は測定対象物質と同一化学構造の標準品を必要としない定量用基準物質の含有率測定方法として、一次標準測定法の資格を有する分析法となっている。
- 水素原子を物差しとした分子構造に依存しない測定法
- JIS-0138の通則として設定された定量NMR法 (qNMR)
- 炭素原子を物差しとした分子構造に依存しない測定法
- ポストカラム反応 – 水素炎イオン化検出 (FID) ガスクロマトグラフィー法
- 試料調整・調製時の要注意事例
- 定量分析における代表的な汚染源はサンプルの希釈・溶解に使用する溶媒!
- ブランク試験の必要性 (試薬・溶媒の成分規格と妨害成分)
- 各種規格の試薬中の不純物は、それぞれの規格内の不純物については保証されているものの、規格以外の成分については保証されていない。したがって妨害不純物の量が【試薬の製造ロットにより異なる】ことが予測される。
- 希釈溶媒中の不純物により検量線 (回帰直線) の切片の値が[ – ]マイナスとなる事例
- 溶存酸素に基づくピーク信号が現れる事例
- 蛍光強度は、溶媒の種類、濃度、溶存酸素などの影響を受ける
受講者の声
- 具体例が多く分かりやすい内容でした。クロマトグラフィの基礎をしっかり学べてよかった。
- 定量分析において絶対検量線法の実用性及び標準添加法について聞けたのがありがたかった。内部標準法が行えない場合の定量法が興味深かった。
- 説明いただいた中で疑問に感じたところも丁寧に解説いただけたので良かった。
- 検査法を構築する上で、必須であるバリデーションの知識深める有意義な時間となりました。
- 具体的な事例を交えながらの解説でとても分かりやすく助かりました。
複数名同時申込割引について
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 40,000円(税別) / 44,000円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 80,000円(税別) / 88,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 120,000円(税別) / 132,000円(税込)