第1部 分析法バリデーション実施に必要な統計知識と頑健性評価の実例
(2012年10月15日 10:30~13:00)
ポイント
- 統計の基礎とばらつき
- 分布とばらつきの考え方を解説し、誤差をどう捕らえるかを統計の基礎として説明します。
- SN比
- 頑健性を評価するため、誤差を表現する手法としてSN比について説明します。
- 分散分析と実験計画法
- SN比を理解していただくため、分散分析、実験計画法について説明します。
これまでの実験方法と実験計画法で検討した結果を比較することにより、実験計画法の有用性を説明します。
- 演習
- 頑健性を評価するとき、具体的なパラメータを考えながら計算の演習を通して理解を深めます。
- その他
- 統計手法を用いた計算をするときの注意点を説明します。
0. 統計の基礎 (分布と検定とα、βについて)
- 分散分析
- 交互作用について
- 2×2分散分析の例
- 3×3分散分析の例
- 実験計画法
- 直交表について
- L8について (分散分析との違いについて)
- L9について (交互作用列の問題)
- 混合系直交表L18について
- これまでの実験と実験計画法との違い
- SN比
- 静特性について
- 動特性について
- 誤差の考え方
- 頑健性パラメータの事例と応用
- 分光光度計のパラメータ事例
- HPLCのパラメータ事例
- その他
- 累積度数法;曲線の違いを直接比較したいとき
- 注意すべき数値
第2部 各分析能パラメータの基準値設定・妥当性と統計基礎知識
(2012年10月15日 13:50~16:20)
測定方法や測定結果の「精確さ」を確保するためには、測定値の信頼性を検証する「分析法バリデーション」、すなわち分析法に由来する誤差が原因で生じる試験結果について、その判定の誤りの確率が許容できる範囲であることを科学的に検証しなければならない.このような考え方に基づき実施される分析法バリデーションについて,基礎から判定基準設定まで網羅的に説明します。
本セミナーでは,初めて分析法バリデーションに携わる方々がバリデーションで検討される個々の分析能について,イメージしやすいように解説します。また,各分析能の基礎となる統計についてもサラリと解説します。
- 分析法バリデーション
- 分析法バリデーションの必要性
- ICH Q2が果たした役割
- 基本的手順
- 特異性
- HPLCで特異性が良い,悪いとは,どんなイメージ?
- 類縁物質標準品が入手できないときの対応
- 特異性の判定基準
- 検出限界,定量限界
- HPLCでの検出限界,定量限界は,どんなイメージ?
- 正規分布と検出限界の関係
- 危険率に基づく検出限界の決定
- ICH Q2 に基づく検出限界,定量限界の決め方
- 投与量と閾値の関係
- 検出限界,定量限界の評価法
- 検出限界,定量限界の判定基準
- 直線性
- 直線性の評価法
- 直線性の評価法の落とし穴
- 直線性の判定基準
- 真度
- 真度が良い,悪いとは,どんなイメージ?
- t分布に基づく信頼区間の算出
- 真度の評価法
- 真度の判定基準
- 精度
- 精度が良い,悪いとは,どんなイメージ?
- χ2分布,分散分析に基づく信頼区間の算出
- 精度の評価法
- 精度の判定基準
- 範囲,頑健性 (安定性)
- 分析能パラメータの妥当性
- 工程管理指数を考慮した精度の判定基準
- 真度,精度,限度品質を考慮した規格の設定とは,どんなイメージ?
- 終わりに