本セミナーでは、シランカップリング剤の構造と機能性、有用性と使用時の注意点、材料表面状態に及ぼす反応性等、事例を交えて解説いたします。
ゴム・樹脂材料の多くは、単独では強度が弱いため補強して使用される。金属、セラミックス、繊維および木材などの材料はゴム・樹脂材料の有効な補強材であるが、この補強化技術の一つに接着がある。工業機能部品、電子電気部品、塗料部品などプラスチック、塗料やゴム製品の多くが接着技術を用いて製造されており、接着は工業において最も重要な生産加工技術の一つである。 本講座では、ものづくりにおいて必要不可欠な接着技術の中で活用されるシランカップリング剤についての基礎とその活用方法について解説します。まず、シランカップリング剤の基礎としてその構造と機能性、シランカップリング剤の有用性と使用時の注意点を解説します。さらに、シランカップリング剤を用いた接着物の接着メカニズムを解明する上で、洗浄工程における重要性をX線光電子分光 (X-rayphotoelectronspectroscopy) 、接触角測定、フーリエ変換赤外分光光度計 (FT-IR) 測定によって材料の表面を分析し、材料表面状態に及ぼすシランカップリング剤の反応性についても説明いたします。そして接着の評価、異種材料の接着技術について事例を交えての説明いたします。