リチウムイオン電池の基礎と技術・研究開発の現状、今後の動向

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本セミナーでは、粉体工学の研究者の立場から見たコーティング技術の理解、電池材料合成におけるコーティング構造制御の実例などを紹介いたします。

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プログラム

第1部: リチウムイオン二次電池材料の合成を指向した粒子コーティング技術とその適用例

(2024年9月25日 13:00〜14:30)

 現在、全固体型リチウムイオン二次電池をはじめとする様々な種類の電池において、粒子へのコーティング技術が注目されている。例えばリチウムイオン二次電池では、正極活物質表面にナノレベルで保護層をコーティングする事で、全固体型電池だけではなく既存の液体電解質を用いたリチウムイオン二次電池でも電池性能が向上する事が広く知られている。しかし粒子へのコーティング技術の理解には、材料科学の知識だけではなく粉体工学に関連する知識なども必要となり、コーティング層の構造制御などを実施する上で、これらの知識は必要不可欠である。また現在量産に対応可能なコーティング技術についても様々な方式があり、良質な材料合成にはコーティングメカニズムを正確に理解する必要がある。  本セミナーではこのような現状に対して、粉体工学の研究者の立場から見たコーティング技術の理解、電池材料合成におけるコーティング構造制御の実例などを紹介する。

  1. はじめに
    1. 電池材料合成における粒子へのコーティング技術の位置づけ
    2. 粒子へのコーティング技術の紹介
    3. まとめ
  2. 湿式法による粒子へのコーティングのメカニズム
    1. 湿式法を利用した一般的なコーティングメカニズム
    2. 噴霧法を利用したコーティング技術
    3. 析出現象とコーティングプロセスの関係
    4. 電池材料合成の紹介
  3. コーティング材料の特性評価
    1. 電池材料として求められるコーティング材料の粉体特性
    2. コーティング層の均質性の評価
    3. コーティング層の被覆率の評価
    4. コーティング材料の構造による電池特性への影響の一例
  4. まとめ

第2部: 高容量リチウムイオン二次電池正極材の材料設計

(2024年9月25日 14:45〜16:00)

 リチウムイオン二次電池の高容量化は今後の蓄電池市場の展開において重要な要素である。本講演では、正極活物質の観点から高容量化に向けた材料設計指針を説明する。  また、マテリアルズ・インフォマティクスなどのデータ駆動型アプローチによる研究開発の効率化について、研究事例を交えて紹介する。

  1. はじめに
    1. リチウムイオン二次電池市場と技術動向
    2. 高容量材料の必要性と正極活物質の開発方向性
  2. 正極活物質の基礎知識
    1. リチウムイオン二次電池の動作原理
    2. 正極活物質の種類と特徴
    3. 層状酸化物系正極活物質
  3. 高容量正極活物質の設計指針と開発事例
    1. 高容量化の設計方針_平衡論的観点と速度論的観点
    2. 技術的課題: 容量特性の背反特性との両立
      • サイクル特性
      • 安全性
      • 出力特性
      • 耐候性
    3. 開発効率化: 計算科学、情報科学 (マテリアルズ・インフォマティクス) の活用
  4. まとめ

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