セラミックスへの新しい機能の付与や性能の向上のためには、組織の微細化が重要で、そのためには、粉体プロセスの各要素を十分理解し、その高度化が必要である。粉体プロセスは、1粉体の合成、2粉体表面処理、3成形、4焼結、の過程を含む。焼結後の微細組織を得るためには、出発原料として微粒子を用いる必要がある。
本講座では、1〜3の重要性を認識したうえで、4の焼結を中心に講義する。最近、焼結においては、通電加圧焼結、所定温度で電圧を印加するフラッシュ焼結、急速昇温焼結など興味深い手法が報告されている。本講座では、焼結の考え方、焼結理論、焼結現象などを整理し、科学的な焼結のアプローチ法が身に着くことを目標とする。
受講者は、焼結の原理と実際について十分な理解を深め、要求される微構造を得るための焼結の知識、焼結の知識を活用することで実験方針を習得することが期待される。
- 焼結の基礎
- 各種焼結手法とその特徴
- 常圧焼結
- 固相焼結
- 液相焼結
- 加圧焼結
- ガス圧
- ホットプレス (HP)
- 熱間静水圧 (HIP)
- 電磁場支援焼結
- パルス通電加圧焼結 (放電焼結:SPS)
- マイクロ・ミリ波焼結
- フラッシュ焼結
- 急速昇温焼結
- 粉末混合・分散調整および成形
- 粉末混合・分散
- 成形
- 乾式 (プレス成形、冷間静水圧成形)
- 湿式 (コロイド成形)
- 次元造形・成形
- 焼結緻密化の速度論
- 焼結過程 (初期・中期・後期)
- 拡散
- 欠陥
- 焼結の駆動力
- 表面エネルギーと表面張力
- 曲率を持った界面の熱力学
- 無加圧焼結における焼結の速度式 (初期から後期)
- 加圧焼結における速度式
- 自由エネルギーからのアプローチ
- スケーリング則
- 多粒子系の焼結緻密化挙動
- 焼結ダイアグラム
- 常圧焼結
- 熱間等方加熱 (HIP)
- 統一速度式
- 焼結現象のシミュレーション
- 粒成長と粗大化
- 多成分 (複合化) での注意点
- 具体例
- 通電支援焼結の展開
- パルス通電焼結 (SPS)
- フラッシュ焼結
- 焼結の具体例
- 酸化物
- 非酸化物
- 窒化珪素
- 炭化ケイ素
- 窒化アルミ
- 超高温セラミックス (ZrB2系)
- MAX相セラミックス
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