潤滑は摩擦に伴う材料損傷とエネルギー損失を緩和して資源の保全や事故の確率を軽減するとともに、快適な機械運転を導く日々の生活と文明活動に不可欠な技術である。この分野では古代文明以来多くのノウハウが蓄積され、近年では科学的手法も取り入れられているが、未だに経験工学の域を脱し得ない。これは摩擦材料・潤滑剤 (油・グリース) ・操作条件・環境などの潤滑に関わる因子が運転に伴って、それぞれ独立に変化して実用性能が一見ランダムに変動するためである。
そこで本講では、多種多様にわたる潤滑油とグリースを系統的に分類し、それぞれの成分の役割 (潤滑メカニズム) を構造特性から説明する。次いで潤滑油・グリースの評価法 (摩擦試験) と使用に伴う劣化と管理を説明する。このように潤滑油・グリーズの全体像を理解したうえで、個々の問題を解析し解決への糸口とする手法を説く。さらに環境問題対応に向けた潤滑油・グリースの役割を紹介する。
- 潤滑の基礎知識
- 摩擦の科学と潤滑の工学 (摩擦による障害と潤滑の必要性)
- 潤滑の経験モデル (ストリベック線図とアーチャード摩耗率)
- 潤滑剤の分類: 用途別、組成別、形態別
- 潤滑油 (ベースオイルの種類と特徴)
- グリース (構造と油と比較した長短所)
- 固体潤滑剤とコーティング (実用例)
- 潤滑油添加剤 (種類と必要性)
- トライボ向上剤 (摩擦表面の特性)
- レオロジー向上剤 (油の物性)
- 機能維持剤 (アンチエイジング)
- 潤滑油と潤滑グリースの組成と実性能 (まとめ)
- 潤滑油の評価と分析 (標準試験と実機へのスケールアップ)
- 潤滑剤の劣化とメンテナンス
- 潤滑油管理の必要性と基本方針
- 劣化要因と診断 (分析方法)
- 劣化防止 (酸化防止剤のメカニズム)
- 潤滑技術の動向とサステイナブル社会に向けた役割
- UN SDG と潤滑油・グリース (規制と動向)
- 更新情報の入手と整理 (情報リテラシー)
- カーボンフットプリント軽減のツール
個別相談
セミナー後に下記のいずれかの方法で、講師に個別相談が可能です。 (希望者のみ)
- セミナー当日の終了後に対面形式で
- 1社につき10分以内
- 希望者が多い場合は待ち時間が発生します
- 後日にオンライン形式 (Zoom or Teams) で
- 1社につき20分以内
- 講師が海外在住のため平日15:00-17:00 (日本時間) で調整予定
- セミナー受講者以外は参加不可
個別相談会に関するお願い・注意事項
- 事前に質問したい内容をある程度教えていただけると回答もスムーズになります。
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