ロジカルでありながら自社が主体的に描くマクロ環境分析に基づく未来のニーズの予測法

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多くの企業が、競合他社の追随や顧客からの要求への対応を目的に研究開発テーマを設定しています。ここでの問題は、これらはいずれも他社と同じテーマを追いかけての競争となってしまうことです。これらの例ではテーマ設定は難しくはありませんが、その後は常に競争を前提としていますので、そのプロセスはつらく、また果実も小さいものとなりがちです。  このようなつらい展開を回避する方法は何か?それは、他社と異なるテーマを見つけ対象とすることです。他社と異なるテーマを対象とすれば、開発時、そしてその後の製品展開において、競争は存在せず、その結果価格競争は起きませんので、大きな収益と高い利益率を実現することができます。  他社と異なるテーマを見つけるひとつの有力な方法が、未来の市場のニーズを想定し、それを充足することをテーマとして設定することです。  このアプローチはマクロ環境分析、別名PEST分析として従来からあるものです。しかし、ここで多くの企業が直面している問題が、「大山鳴動して鼠一匹」すなわち、大きな工数をかけながら、出てきたテーマが既に認識済のテーマや他社と同じテーマとなってしまうことが非常に多いことであることが挙げられます。これは、世の中で一般的に認識・議論されているマクロ環境に基づき市場ニーズを想定し、それに基づきテーマを設定していて、その結果競合他社も思い付くような、ありきたりのテーマになってしまうからです。実はこの問題の背景には、自社の対象事業に固有の様々なマクロ環境も存在するとが忘れられていることがあります。  本セミナーにおいては、自社が対象とする事業を出発点に、4つの思考拡大の仕組みを組み込み、対象事業に固有なマクロ環境を含め、マクロ環境を広く抽出し、またそれらから広く市場ニーズを創出するアプローチを丁寧に行い、未来ニーズを想定する方法について学んでいただきます。その結果、競合他社とは異なる皆さんの企業独自のテーマを創出することができます。

  1. はじめに
    1. なぜ未来のニーズ予測が必要か?
      • 未来のニーズを見通すことにより、大きな宝を手に入れることができる
      • なぜなら、『今まで存在しなかった大きな顧客価値』の創出の実現が可能となるから
    2. 未来のニーズ予測は可能か?
      • 答えは、「できることは多い」
      • 全ての結果には、原因がある。原因を「ある程度」想定することは可能
      • フランク・ナイトの「リスク」と「ナイトの不確実性」の存在
      • 丁寧な「自分達の経験と知識の活用」、「現状で得られる情報の収集」と「自分達の頭での思考」により、未来ニーズを想定する
    3. 未来のニーズ予測が適正にできなかった例
      • 旭化成のリチウムイオン電池
      • 丁寧な未来予測活動の欠落により、ソニーの後塵を拝す
  2. 未来のニーズ予測のフレームワーク
    1. 従来のPEST分析の問題点
      • 大山鳴動して鼠一匹
      • 対象事業領域固有なマクロ環境の無視が原因
    2. 自社事業領域を出発点として広く々々!未来の市場ニーズを考える「四段階の思考拡大法」
  3. 展開ステップ【1】 市場ニーズを広く発想
    1. まずは、現状で市場ニーズを広く々々発想する
      • 顧客価値拡大モデル
      • 意味的価値にも目を向ける
      • VACESモデル
      • 妄想する
      • 妄想する2つの理由;
      • よく考えると、そこには真実がある
      • それ自体は真実ではないが、真実を連想できる
    2. 本ステップのタスク
      • タスク1:顧客の顧客の市場ニーズを広く発想
      • タスク2:顧客の市場ニーズを広く発想
  4. 展開ステップ【2】市場ニーズの背景にあるマクロ環境を広く抽出
    1. マクロ環境と顧客価値・市場ニーズとの関係の全体像の提示
    2. 市場ニーズの背景にあるマクロ環境を広く抽出するための3つの視点 (1) 〜 (3)
      1. 市場ニーズ創出要因別
        • 市場ニーズ存在要因
        • 市場ニーズ拡大要因
        • 市場ニーズ充足要因
      2. PESTE別
        1. P (政治) E (経済) S (社会) T (技術) に環境「E」を追加
        2. PESTEはそれぞれが独立ではなく因果関係にある
        3. 政治 (Policy)
          • 政治のマクロ環境の例
          • 政治の手段とその背景にある政治のドライバーの両方に目を向ける
          • 網羅性実現のために省庁の機能が参考に
        4. 経済 (Economy)
          • 経済のマクロ環境の例
          • 特に自社のバリューチェーンと広義の競争環境に目を向ける
        5. 社会 (Society)
          • 社会のマクロ環境の例
          • 2つの重要な視点:個人の置かれた状況・価値観および人口動態
        6. 技術 (Technology)
          • 技術のマクロ環境の例
          • 自分の専門外の分野の技術に広く目を向けることに意味がある
          • 広く注目すべき技術分野としてのHIMER
            • Human (人間)
            • IT (情報・通信)
            • Mobility (交通・運輸)
            • Environment (環境)
            • Robotics (自動化)
        7. 環境 (Environment)
          • 環境のマクロ環境の例
      3. マクロ環境認識事象別
        1. 4つの認識事象
          • 既に存在し今後も継続/現在発生の兆候が認識/一定の確率で発生/ものごとの本質
        2. 本ステップのタスク
          • タスク3:市場ニーズの背景のマクロ環境を抽出
          • タスク4:更なる関連マクロ環境の追加
          • タスク5:抽出マクロ環境の初期簡易調査
          • タスク6:対象マクロ環境の評価・選定
          • タスク7:選定マクロ環境の未来状況の想定
          • タスク8:自社が思い描く未来状況の主体的想定
  5. 展開ステップ【3】主要マクロ環境が創出する市場ニーズを更に広く抽出
    1. 本ステップのタスク
      • タスク9:選定マクロ環境の構造化
      • タスク10市場ニーズの拡大・構造化
    2. MECE (だぶりなく、もれなく) の構造化への活用
  6. 展開ステップ【4】隣接可能性に基づく市場ニーズの更なる拡大
    1. 隣接可能性とは?
  7. 最後に
    1. マクロ環境分析のその他の極めて重要な意味
      • 市場洞察力の各段の向上がなされ、またその結果
        • 未来予測の精度の向上
      • テーマ創出力の向上やMECE発想の定着

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