バイオ医薬品開発を目的としたタンパク質溶液の安定化と添加剤の効果/選定

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本セミナーでは、タンパク質の溶液中での安定化の方法について、特に低分子や高分子の添加剤を使う方法をまとめて解説いたします。

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プログラム

タンパク質は溶液中で凝集や失活をしやすい性質があります。タンパク質の溶液状態がどのように理解でき、制御できるのかをまとめてお話しします。まず、タンパク質の凝集抑制剤とはそもそもどういう性質があるのかを整理します。なかでもアルギニンは幅広い応用の可能性があります。  バイオ医薬品への応用例として、低分子添加剤を使うことで、どこまでタンパク質が安定化できるのかを紹介します。さらに、高分子を用いる複合体化や、可逆性の高い固形化によるタンパク質の安定化や濃縮の方法を紹介します。最後に、このようなタンパク質の集合性の性質から理解されてきた相分離生物学について、アミロイド仮説の理解や、低分子薬の開発との関連について新しい仮説をお話しします。  タンパク質の溶液中での安定化の方法について、特に低分子や高分子の添加剤を使う方法をまとめて紹介します。タンパク質の溶液をこれから扱おうとする方に、具体的に役立つ内容となっています。

  1. 蛋白質凝集抑制剤
    1. アミノ酸の性質
    2. 溶解度・疎水性・ハイドロパシー
    3. 蛋白質の凝集とアミノ酸による凝集抑制剤
    4. アルギニンとアミノ酸誘導体
    5. 理想の凝集抑制剤
    6. モノマータンパク質の凝集と凝集抑制
  2. 凝集抑制剤を考える
    1. アルギニンとリシンの比較
    2. イオンによる静電遮蔽と塩析・塩溶
    3. アルギニン塩の使い方
    4. ホフマイスター系列の効果
    5. アンモニウムイオン
    6. 酵素の加熱による失活のイオンの効果
  3. 多様な添加剤の効果
    1. ポリアミン
    2. 尿素
    3. 塩酸グアニジン
    4. アルコール
    5. 界面活性剤
    6. ポリエチレングリコール
    7. 多糖類
    8. 高分子電解質
    9. 添加剤と相互作用ノックアウトの考え方
  4. 緩衝液の影響
    1. IgGを安定化する緩衝液
    2. 緩衝液のpHの温度依存性
    3. リン酸緩衝液の特徴
    4. デアミデーション
  5. 蛋白質沈殿剤を考える
    1. 塩と糖の違い
    2. クラウディング効果
    3. 高分子電解質
    4. リエントラント凝縮
    5. アルコール沈殿
  6. 蛋白質溶液の粘度の制御
    1. 溶液の粘度の原因
    2. 蛋白質濃度と粘度
    3. 抗体溶液の粘度とアルギニン
    4. アルブミン溶液の粘度とイオン
  7. 水溶液中でどこまでタンパク質を安定化できるか?
    1. 加熱凝集
    2. 加熱失活
    3. 化学劣化
    4. 共凝集
    5. クルードなタンパク質溶液
    6. リフォールディング
  8. アルギニンはなぜ使いやすいのか?
    1. アルギニンの多彩な応用
    2. 添加剤と相互作用ノックアウトの考え方
    3. アルギニンの長所と欠点
    4. アルギニンによる芳香族化合物の溶解度の改善
    5. 高濃度タンパク質溶液の粘度
    6. 固体への吸着
    7. 結晶化への影響
    8. オパレッセンスの抑制
  9. バイオ医薬品への応用
    1. バイオ医薬品に期待される6テーマ
    2. 蛋白質高分子電解質複合体 (PPC)
    3. PPCによる安定化
    4. PPCによる状態変化と濃縮
    5. PPCからの可逆性
    6. pH応答性タグ
    7. オパレッセンスの制御
    8. ガラス状透明濃縮物
    9. 水性二相溶液と凝集体の除去
  10. 相分離生物学入門
    1. 液-液相分離の再現実験
    2. 液-液相分離とは
    3. 低分子とハイドロトロープ
    4. アミロイド仮説と相分離仮説
    5. プリオンと相分離
    6. 低分子薬と相分離
    7. 細胞内のタンパク質の状態
    8. 相分離生物学の原点
    9. 天然変性タンパク質の役割
    10. RNAやDNAの相分離
    11. 翻訳後修飾と相分離
    12. 「溶ける」とは?

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