溶射技術の基礎とその応用

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本セミナーでは、耐熱性、耐摩耗性、耐食性を実際に発現するための溶射技術について、基礎から応用例までを幅広くわかり易く解説いたします。

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最近、各種の機械装置類やプラントは高温、摩耗、腐食など非常に苛酷な状況で使用される様になってきています。溶射法はそのような厳しい環境下にも耐えることができる表面技術として注目を浴びています。  現在、溶射技術は耐熱性、遮熱性、耐摩耗性、耐食性を付与する手段として、火力発電、航空機、船舶、鉄鋼構造物など、さまざまな産業分野の製品に適用されています。  本セミナーでは、各種製品の設計・製造に携わっている技術者や表面処理の仕事に従事している技術者を対象に、耐熱性、耐摩耗性、耐食性を実際に発現するための溶射技術について、基礎から応用例 (筆者が今まで研究開発してきた事例等) までを幅広くわかり易く説明します。

  1. 表面処理技術
    1. 表面処理の種類
      1. 材料の表面層の組織を改質する処理
      2. 材料表面に別の材料を被覆する改質法
  2. 溶射
    1. 溶射の歴史、特徴
    2. 溶射の種類
      1. ガス式溶射
        1. フレーム溶射
        2. 高速フレーム溶射
        3. ウオームスプレー
        4. 爆発溶射
      2. 電気式溶射
        1. アーク溶射
        2. プラズマ溶射
        3. 減圧プラズマ溶射
      3. レーザ溶射
      4. コールドスプレー
  3. 溶射材料
    1. 線材
    2. 棒材
    3. 粉末
    4. 溶射粉末の種類
      1. 金属および合金粉末
      2. 自溶合金
      3. セラミクス溶射粉末
  4. 溶射に必要な前処理および後処理
    1. 前処理
      1. 基材の清浄
      2. 基材の粗面化 (ブラスト処理)
    2. 後処理
      1. 封孔処理
      2. 熱処理
      3. レーザ処理による皮膜表面の緻密化
      4. 仕上げ加工
    3. 自溶合金溶射皮膜のフュージング処理
      1. 硬さ変化
      2. 気孔率の低減
      3. 拡散層形成
    4. 溶射皮膜の除去
      1. ブラスト処理
      2. ウオータージェット
    5. 溶射皮膜の形成
      1. 酸化膜形成
      2. 凝固速度
      3. 未溶融粒子
  5. 溶射粒子の飛行速度および温度
    1. 溶射粒子の飛行速度
    2. 溶射粒子の温度
    3. 溶射粒子温度と速度の測定
      1. CCDカメラを利用する方法
      2. 熱放射測定を利用する方法
  6. 溶射皮膜の特性および評価
    1. 密着性
      1. 基材硬さの影響
      2. 基材表面粗さの影響
      3. 予熱の影響
      4. 溶射条件の影響
      5. プラズマ溶射と高速フレーム溶射の比較
      6. 引張型ピンテストによる評価
      7. 樹脂の剥離性
    2. マイクロビッカース硬さ
    3. 気孔率
      1. 浮力法
      2. 画像処理による方法
      3. 銅めっきした後EPMA線分析する方法
    4. 耐熱性 (熱サイクル特性)
      1. SS400基材へのアルミナ・プラズマ溶射
      2. SUS304基材へのアルミナ・プラズマ溶射
      3. 溶射皮膜の高温酸化特性
    5. 遮熱性
      1. ジルコニア溶射皮膜
      2. アルミナ溶射皮膜
      3. SUS316皮膜
    6. 被切削性 (アブレイダビリテイ)
      1. Al/Si-ポリエステル溶射皮膜
      2. ホワイトメタル溶射皮膜
    7. 耐食性
      1. 各種防食法の推定耐久年数
      2. 重防食溶射法
      3. 溶射と塗装のライフサイクルコスト (LCC) 試算
      4. 塩水噴霧試験
    8. 耐摩耗性
      1. 切削摩耗
        1. ピン・オン・デイスク試験
        2. ブロック・オン・デイスク試験
      2. ブラストエロージョン
        1. SS400基材
        2. Cr3C2-25%NiCr溶射皮膜
        3. WC-10%Co溶射皮膜
        4. 自溶合金溶射皮膜
        5. ブラストエロージョンのメカニズム
        6. アルミナイズ処理材とHVOF溶射材の比較
    9. 破壊靭性
      1. アルミナ溶射皮膜のTDCB試験
      2. 破壊靭性 (G1c) と溶射距離の関係
      3. 粒子間結合率と溶射距離の関係
      4. 粒子間結合率と破壊靭性の相関性
    10. 溶射皮膜の変質
      1. カーバイト粒子の脱炭
      2. カーバイト粒子の跳ね返り
      3. カーバイト粒子径と摩耗減量の関係
    11. 電気的性質
      1. 金属皮膜の導電皮膜
      2. セラミックス溶射皮膜の絶縁皮膜
    12. 残留応力
      1. 酸化クロム溶射皮膜の応力測定
      2. 高速フレーム溶射とプラズマ溶射により生じる残留応力測定
    13. 熱放射性
      1. 軟鋼
      2. かんらん岩 (オリビン) 溶射皮膜
      3. アルミナ溶射皮膜
  7. 溶射技術の応用
    1. 航空機のジェットエンジン
      1. 遮熱溶射皮膜
        1. 熱サイクル特性
        2. 長寿命化の研究
      2. 溶射適用部位
      3. 新しい遮熱溶射 (TBC) 技術
    2. 内燃機関ピストン
      1. ピストン頭部への遮熱溶射適用
      2. ジルコニア溶射皮膜
      3. アルミナ溶射皮膜
    3. 半導体製造装置
    4. 火力発電ボイラ
      1. 伝熱管のブラストエロージョン
      2. ボイラ用通風機
    5. プラスチックシート製造ロール
      1. 硬質クロムめっき
      2. HVOF溶射
      3. 各種皮膜の硬さ
      4. 各種皮膜のブラストエロージョン特性
      5. 各種皮膜の密着強度
      6. 塩水噴霧試験結果
      7. カレンダーシートの離脱性
    6. 舶用デイーゼルエンジン
      1. 溶射皮膜開発の経緯
      2. タービンハウジングの構造
      3. エロージョンの発生
      4. 開発目標
      5. 摩耗特性評価
      6. タービンハウジングの摩耗寿命
      7. 実機への適用時の課題と解決法
      8. 熱衝撃特性の確認
    7. 圧縮機
      1. 大気圧縮機
        1. 密着強度
        2. 3点曲げ試験
        3. 塩水噴霧試験
      2. 酸素圧縮機
        1. 軸シールラビリンス部とシュラウド部の発火防止
        2. 銀溶射の密着性評価
        3. 被削性評価
        4. 軸シールラビリンス部とシュラウド部へ銀溶射適用
    8. 鉄鋼構造物
      1. JIS溶射
      2. MS工法
      3. JIS溶射とMS工法の性能評価
    9. 自動車摺動部品
      1. 摺動部への溶射適用例
    10. 産業用摩擦材 (クラッチ、ブレーキ)
      1. 粉末冶金法
      2. 溶射法
      3. 摩擦係数、耐摩耗性、攻撃性の評価
      4. 実機模擬試験
    11. 環境を考慮した溶射法
      1. ボイラ溶射のライフサイクルアセスメント (LCA)
        1. 加圧流動層複合発電システム
        2. 溶射のライフサイクル
        3. 各種皮膜の消費エネルギーの比較
        4. 各種皮膜のヒューム発生量
        5. 各種皮膜のコスト比較
        6. 耐摩耗性を考慮した必要肉厚当りの特性比較
      2. 固体酸化物形燃料電池 (SOFC)
        1. サスペンションプラズマ溶射
        2. デポジット形態に及ぼすサスペンション濃度の影響
        3. デポジット形態に及ぼす溶射距離の影響
      3. スプレーフォーミング
        1. スプレーフォーミングによるTi薄板の直接形成
        2. 形成したTi薄板の引張強度
    12. コールドスプレーの適用検討例
      1. ボイラー部材 (伝熱管) への適用可能性
      2. WC-Co溶射皮膜のブラストエロージョン摩耗特性評価

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