燃料電池、アンモニア、水素を取り巻く最新動向と今後のビジネス・チャンス

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本セミナーでは、家庭用燃料電池、燃料電池車、燃料電池トラック、燃料電池バス、水素ステーション、水素発電、水素エンジン、水素還元製鉄、アンモニア船舶をはじめとした水素とアンモニアを取り巻く最新動向と、経済再生策と気候変動対策と資源エネルギーの未来について解説いたします。

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ウクライナ危機、中東情勢の緊張化による国際エネルギー情勢の混迷のもと、エネルギー安全保障と脱炭素、エネルギー自給率の向上の観点から、燃焼しても炭酸ガスを排出せず、再生可能エネルギーによる電力を利用した国産エネルギーとなる燃料電池、アンモニア、水素の重要性が増している。脱炭素の切り札といえるアンモニア社会、水素社会は、夢の技術ではなく、2030年に向けた現実の技術として着々と動き始めている。  日本は、カーボンニュートラル (温室効果ガス排出実質ゼロ) 実現に向けて、世界に先駆けて2017年に策定してから6年ぶりの2023年6月6日に水素基本戦略を改訂した。脱炭素の切り札といえる水素の供給を増やし、生産コストの低減による一層の普及を目指すこととした。具体的には、12040年の水素供給量を現在の6倍の1,200万トンとし、2水を電気分解して水素をつくりだす水電解装置と触媒等の素材への投資を行い、3今後15年間に官民合わせて15兆円の投資を行い、4割高な水素普及のために、天然ガスをはじめとした他のエネルギーとの価格差を支援する。エネルギー安全保障、エネルギー自給率の向上、化石燃料依存からの脱却、経済成長の同時達成の観点から、燃焼しても炭酸ガスを排出しない、アンモニア、水素社会の実装を目指す。日本が先頭を走っていた水素社会の実現については、ウクライナ危機を経て、欧州諸国、米国、中国、韓国等が、相次いで強力な水素戦略を打ち出し、日本を猛追している。EU (欧州連合) は、2022年9月に、域内生産と輸入により、2030年までに年間2,000万トンのグリーン水素を調達すると表明している。ドイツは水素の固定価格買取制度を創設し、2024年には水素取引市場を開設する。英国は他のエネルギーの市場価格との差を補填する。日本も、2050年のカーボンニュートラルの実現、2030年度の温室効果ガス排出量46%削減には、2030年の1年間に17兆円、今後の10年間に官民合わせて150兆円に達する投資が必要となると試算している。水素、アンモニアについては、政府による支援がなければ導入拡大は見込めないとして、積極的な支援の必要性を打ち出している。水素社会、アンモニア社会を実現するために、2030年の水素供給コストを、現時点の1立方メートル当たり100円から30円に、アンモニアを20円から10円台後半に引き下げる目標を設定する。  日本のみならず、欧米先進国も、ロシア産石油・天然ガス依存からの脱却、エネルギー安全保障、脱炭素と経済成長の両立を目指し、水素、アンモニア社会への動きを加速している。一度は電気自動車に敗北したかにみえた、燃料電池が見直されるようになっており、水素・燃料電池戦略協議会が、ロード・マップを策定し、定置型燃料電池、燃料電池車の普及、水素供給システムの確立、水素発電、水素還元製鉄等の目標を掲げている。日本では、世界でいち早く量産化された家庭用燃料電池 (エネファーム) は、2023年11月には累計販売台数が50万台を突破し、2030年までに530万台に拡大するという意欲的な目標が出されている。米国カリフォルニア州、中国をはじめとして、ZEV (炭酸ガス排出ゼロ車) の拡大が求められる中において、燃料電池車は、水以外の汚染物質を一切出さない。日本が世界に先駆けて、安価な燃料電池車の普及を計画し、2025年には世界で180万台、日本で20万台とし、日本国内においては、2030年に80万台、2040年に300万台〜600万台、航続距離1,000キロメートルという具体的な目標を設定している。世界の水素ステーションは3,100ヵ所に達すると見込まれる。今後2030年に向けて、燃料電池を利用した輸送用機械を世界合計1,000万台とする目標を掲げ、燃料電池による次世代自動車用燃料として、水素、天然ガス、低品位炭の利用が大幅に増加することが見込まれる。日本は、2030年には日本国内の水素市場は1兆円、2050年には、水素ステーション、燃料電池車、水素発電所をはじめとした水素インフラストラクチャー市場は、日本で8兆円、世界で160兆円、関連市場も含めると280兆円規模という大きなビジネス・チャンスが期待されている。それと同時に、アンモニアも、脱炭素エネルギーの切り札として、注目されている。エネルギー基本計画において、2030年度の電源構成の1%に、炭酸ガスを排出しないアンモニアと水素を利用することを明記した。アンモニアは、水素とともに、石炭火力発電、天然ガス火力発電の燃料に混ぜて、炭酸ガス排出削減を実現し、船舶燃料としての利用も考えられ、化学製品生産の有力なエネルギーとなることが期待されている。2050年には、世界の水素需要は年間6億トンを超えることが見込まれている。家庭用燃料電池、燃料電池車、燃料電池トラック、燃料電池バス、水素ステーション、水素発電、水素エンジン、水素還元製鉄、アンモニア船舶をはじめとした水素とアンモニアを取り巻く最新動向と、欧米諸国、中国の追い上げに負けない、脱炭素時代の経済成長と気候変動対策を見据え、アンモニア・水素社会の2030年に向けての将来動向と最適な日本企業の事業戦略について、資源エネルギーの第一人者が分かりやすく解説する。

  1. ウクライナ危機と中東危機におけるアンモニアと水素社会
    • 2024年の動き
  2. 日本における水素基本戦略の改訂と新たな水素経済
    • 生産コストの低減
  3. 世界における意欲的な水素戦略の最新動向 (支援策)
    • 米国
    • 中国
    • EU
  4. 2024年のエネルギー基本計画におけるアンモニアと水素の位置づけ
  5. 世界における燃料電池車への政策動向の今後
    • 米国
    • EU
    • 中国
  6. 日本における燃料電池車への政策の今後
    • ホンダも再参入
  7. 燃料電池車のメリットとデメリット
    • 電気自動車と比較したトラックの強み
  8. 世界最先端の日本における燃料電池車開発の最新動向と今後
    • トヨタの提携
  9. 日本と世界における定置型燃料電池の可能性と市場規模
  10. 燃料電池の新たな可能性
    • フォークリフト
    • トラック
    • バス
    • 鉄道
    • 船舶
  11. 水素ステーションの普及の可能性と市場規模
    • 普及支援策と各社の動向
  12. 水素エネルギー開発の現状と水素エネルギーの課題
    • 輸送と貯蔵の手段
  13. 水素価格の動向と水素エネルギーの経済性の今後
    • 量産と水電解装置
  14. 水素社会のインフラストラクチャー整備を取り巻く市場規模
    • 政府支援
  15. 水素に加えたアンモニアの脱炭素エネルギーとしてのメリット
  16. アンモニアを燃料とした発電の可能性
    • 石炭火力発電の混焼への動き
  17. 水素ビジネス展開における大きな裾野と、日本企業・欧州・中国の覇権競争
  18. グリーンアンモニア、グリーン水素の安価な生産への総合商社の動き
  19. 水素発電、水素還元製鉄等の今後の可能性
    • 2050年へのロード・マップ
  20. 水素社会構築に向けて日本企業がとるべき今後の事業戦略とチャンス

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