肥満症の臨床・治療ニーズと今後の治療薬開発戦略

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第1部 肥満症診療の現状と将来の肥満症治療薬への期待

(2024年9月6日 10:30〜12:00)

 肥満にともなって発症する数多くの健康障害が健康寿命の短縮をもたらす。肥満症対策は小児期の教育から始まり、中・壮年期における生活習慣改善に向けた指導を経て、最近では増加している高齢者肥満へも対応が必要である。  肥満症治療の基本は食事・運動療法を基盤とした生活習慣の改善と、レコーディング・ダイエットに代表される行動療法である。しかし、生活習慣へのアプローチが困難なことも多く、減量が得られる薬物療法、あるいは高度肥満に対しては外科治療が選択肢となる。わが国で、抗肥満薬としてこれまで唯一認可されてきたマジンドールの他に、減量効果が期待される糖尿病治療薬が糖尿病診療で用いられ、さらに2024年に肥満症治療薬としてGLP-1受容体作動薬が発売された。今後もインクレチン関連薬を基盤とした複数の抗肥満薬が開発中であり、大幅な血糖改善と体重減少作用を有することが期待されている。減量・代謝改善手術の普及も課題とされている日本の肥満症診療の戦略が大きく様変わりすることが予想される。

第2部 肥満症における開発中薬剤の作用機序の動向と今後の研究開発戦略

(2024年9月6日 13:00〜14:00)

 肥満症は高血圧症、糖尿病など生活習慣病の様々な疾患に関与する疾患である。肥満症治療薬の創薬研究はこれまでも行われていたが、その安全性懸念から有効な薬剤はなかった。しかしながら近年、糖尿病薬として使用されていたGLP-1受容体作動薬が摂食と体重抑制作用を示して、肥満症でも承認された。本薬剤がブロックバスターへの期待に加えて、製薬業界に留まらず様々な業界を巻き込んで大きな話題となっているのは周知のところである。2030年までに1000億ドルと言われている肥満症市場で、さらなる新薬開発はどうなっていくのか非常に興味深い。  本セミナーでは肥満症研究の歴史や現在上市・開発されている薬剤の紹介、肥満研究に有用な測定機器や実験手法の紹介、それらを用いた薬剤評価結果についても触れながら、さらなる創薬の可能性について紹介する。

  1. 肥満症とは
    1. 肥満と肥満症のちがい
    2. なんで太ったら悪いの? – 脂肪組織での脂質と脂肪毒性 -
    3. 肥満は多くの生活習慣病の起点
  2. 肥満症治療薬研究の歴史
    1. これまでの肥満症治療薬の承認・中止、日米欧比較
  3. 画期的新薬の登場 – 2023年に承認された新薬について -
    1. GLP-1作動肥満薬の紹介とその後の展開予想、DPP4阻害薬との違い
    2. オルリスタットの登場
  4. 今後の肥満症治療薬の展望
    1. GLP-1関連薬剤候補
    2. GLP-1以外の抗肥満薬のターゲット
  5. 肥満症の創薬研究方法について

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