第1部: プラスチック関連企業における欧州政策等への対応と方向性
(13:00〜14:45)
地球温暖化による影響が深刻化する中、国連は国際目標として17のゴール (SDGs) を定め、目標12の「作る責任・使う責任」においては廃棄物の削減・再生利用が謳われている。このようなサーキュラーエコノミーのトレンド下において、各国・各企業は社会的・法規制的要求に応じた対応が求められはじめている。
世界でいち早く環境政策を推進してきた欧州では、プラスチック廃棄物のリサイクル政策が進んでいる。欧州委員会は「欧州グリーン・ディール」、「欧州新産業戦略」の内容を含む新たな行動計画である「新循環型経済行動計画」を 2020 年に公表しており、EUが循環型経済モデルに移行し、従来よりもプラスチック製品の設計や製造、再利用可能な代替品素材の使用を含むライフサイクルに焦点を当てている。
本講演では、世界でも環境規制の進む欧州のプラスチック政策と先進企業事例をヒントに、今後の日本企業に求められる対応のあり方や取り組みの可能性を一緒に協議させていただきたい。
- グローバルのプラスチック政策の最新動向
- 欧州が先行して進行 ※欧州化学関連規制を紹介
- その他 (米国、日本、ASEAN 等) が欧州に遅れて追随
- リーディングプレーヤーの参考事例
- 化学メーカーの事例
- 包材メーカーの事例
- 消費メーカー (エンドユーザー) の事例 等
- 欧州のプラスチック関連のルールメイキングと業界構造
- 2025年までは主要な業界団体が主導
- 将来的にCENが標準化を主導する見立て
- 日系のプラスチック関連企業への示唆
- 事業継続にあたり関連機関の動向モニタリングは必須
- 欧州での今後の見通しと優先すべきサステナビリティ対応
- 各国・地域の環境法規制の整備状況に応じた対応が重要
第2部 : 循環型パッケージ/プラスチック包装材料リサイクルの現状と課題
(15:00〜16:45)
欧州は、包装及び包装廃棄物規則、PPWRを2024年秋以降公布し18か月後に発効とする予定である。欧州市場では、基本的にすべてのパッケージはrecyclableが必須となり、特にプラスチックはrecycled 品を一定以上使用することが義務化される。世界は循環型パッケージに向けて進んでおり、日本は義務化ではないが大きな影響を受ける。EU2022・1616の規則が2023年10月10日より施行となり、欧州市場ではrecycled plasticsを食品接触用に使用しても良いことになった。事前にEFSAに申請しOKを得れば使用出来る。日本は包装製品を欧州に輸出する場合、この規制を受けることになるので、対応が必要であるが、対応できる時間も設備もあまりない。
日本の包装においても、PPWRへの対応は喫緊の課題であり、欧州の対応事例及び国内の対応事例を説明する。
- はじめに
- EUの循環型パッケージとは
- 回収システム
- 日本の回収、容リ法
- 世界の回収システム事例
- 回収システムの課題
- 回収及び選別技術
- 特に軟包装材料での課題
- メカニカルリサイクルの課題
- アップサイクリングに向けて
- 脱インク及び剥離技術
- recycled plasticsの物性低下の防止
- メカニカルリサイクルの世界の実情
- FDA及びEFSAの懸念
- Nextlooppの事例
- CEFLEXの事例
- ケミカルリサイクルの課題
- 日本の状況
- 世界の状況
- 熱分解
- 超臨界
- 酵素利用
- 世界の設備増強状況
- EU2022/1616
- 概要
- 世界の包装への影響大
- Recyclableとは
- 業界の定義
- 認証制度
- 日本の対応は、green washに留意
- EUのDfR (Design for Recyclability) 検討
- 循環型ポリマー利用促進に向けて
- まとめ
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