CSVとデータインテグリティ (DI) の対応実務を基礎から習得していただくべく、CSVの本質とDI実務をFDAの査察指摘事例を交えて具体的にじっくりと2日間にわたり説明する。コンピュータに馴染みのなかった方にもご理解いただけるだけでなく、800スライドを超すテキストと320ファイルを超す付録CDにより受講後の高度な自己研鑽が可能である。DIの基本要件はALCOAプラスであるといわれている。
一方、査察官が期待するDI実務は、システムや機器におけるDI機能の普及とともに高くなる。従って、各極のDIガイダンスを読み込んでALCOAプラスを頭のなかで深掘りしても、査察官が期待するDI実務レベルにたどりつけない。査察官が期待するDI実務レベルは、当局査察における指摘事例から学び取るのが確実である。査察指摘の開示が最も進んでいるのはFDAであり、生の査察指摘文書をすべて入手できる。
本講座では、米国情報公開法 (FOIA) にもとづきFDAへ開示請求して有償入手した2,300件を越す生の査察指摘事例を踏まえて、DIの基礎と実務を具体的に説明する。なお、FDAの年間査察指摘件数は約1,000件である。2年分を超す査察指摘事例に基づいたファクトベースの講座はどなたにも納得してご理解いただける。
DI対応の対象は以下の両者である。
- 電子記録
- 紙の記録 (手書き記録、プリントアウト)
また、電子記録を生成しない製造装置も対象である。
FDAの生の査察指摘によれば以下の様なDI指摘が多い。
- 監査証跡をレビューしていない
- 電子記録が保護されていない
- 製造やラボの実務担当者がバックアップを行っている
- システム管理者権限で試験や製造を行っている
- 製造やラボの記録用紙が現場でコピー出来てしまう
- 製造装置のアラーム履歴が維持されていない
- 製造装置のレシピが改変から保護されていない
FDA査察におけるDI指摘はQCラボに集中していたが、製造における指摘が目立ち始めてきた。特に製造におけるDI実務対応の要件は査察指摘事例から学び取る必要があり、製造管理のインテグリティと考えて実務対応するのがよい。電子記録を生成しない製造装置であってもコンピュータの管理について指摘されうる。
ER/ES (電子記録/電子署名) とCSVの基礎を説明したうえでFDAのDI査察指摘事例を紹介するので、コンピュータに馴染みのなかった方でも「行うべきこと」を具体的に基礎から実践までを習得していただける。また、増加しつつあるクラウドサービス利用における留意点やスプレッドシートのCSV/DI対応の概要も説明する。
- GMP省令改正とPIC/S
- データインテグリティとは
- ER/ES対応の基礎
- Part 11、ER/ES指針、Annex 11
- 電子署名、ハイブリッド署名
- CSV対応の基礎
- バリデーションの遵守要件
- バリデーション指針
- 再バリデーション
- リスクベースアプローチ
- リスクマネジメントの基礎
- データインテグリティ用語
- FDAの査察指摘
- 指摘トップ10
- 国内における指摘
- ラボにおける指摘
- 製造における指摘
- 年次品質レビューおよびQAにおける指摘
- 供給者監査に関する指摘
- スプレッドシートのFDA指摘とCSV対応/DI対応
- PMDAのデータインテグリティ指摘動向
- 実務対応
- 紙記録 (ラボ、製造共通)
- コンピュータ化システム (ラボ主体)
- 製造装置と検査装置
- 監査証跡のレビュー
- QAレビュー
- GAP分析
- ポリシーと手順書の策定方針
- クラウドサービス利用における留意点
- 良くある質問
- 主要ガイダンスの概況
- MHRAガイダンスの要旨 (英国医薬品庁)
- FDAガイダンスの要旨
- PIC/S査察官むけガイダンスの要旨
- 質疑応答
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