本セミナーでは、リチウムイオン電池の高容量化・高出力化・高安全性のキーパーツである電解液について、基礎から、開発動向や高機能化技術動向まで解説いたします。
(2012年8月6日 13:00〜14:40)
モバイル用LIBの更なる発展と動力用への展開に対して生じる問題を分析し、電解液がどのように役割を果たせばよいかについてLIBの工業的見地から考察したことを講義する。
(2012年8月6日 14:50〜16:30)
イオン液体は不揮発性で安全でありつつ、電池用の溶媒のように電解質塩を溶解させることが可能である。カチオンとアニオンをうまく選定すれば、酸化側の作動電位を拡大することも可能である。よって、リチウムイオン電池の安全かつ高電圧作動タイプの電解液として、イオン液体が期待されている。これまでは負極側での還元安定性に問題があったが、我々が開発したFSIアニオンを用いたイオン液体電解液によって正負極両方の安定性が確保され、実際の電池への適用が可能となった。 本講座では、このイオン液体電解液がなぜ完全可逆充放電をもたらすのかを説明し、高粘度であってもレート特性が優れる理由や他の優位性を解説し、将来型電解液としてのイオン液体の可能性を展望する。