電子デバイス製造工程において、静電気帯電を起因とした不良・不具合問題の事例が多くなってきました。それに伴い、静電気放電 (ESD) 対策に関する対応が年々増えており、その内容も複雑かつ難しい (低電位管理) 内容になってきております。この様な背景は、ESD対策において当初は人体帯電対策 (HBM) が主要な対象でしたが、その後帯電したデバイスの対策 (CDM) 、電子基板からの放電 (CBE) やケーブルからの放電 (CDE) 等様々な物の帯電が要因となるケースが増えてきているからです。
更に、PCBの実装・製品組み立て工程におけるESD問題も、報告がされております。加えて、LSI製造技術が進展しチップレット技術の採用に伴い、更なる対策 (±30V以下) が求められています。これからのESD対策の為には、問題に対しての新たな認識や知識が求められてます。
本セミナーは、静電気の基本を再認識し、ESD対策に関する基本的なアプローチについて解説します。更に、最近の動向や計測器を用いた実演を参考に、効果的な静電気対策方法などを分かりやすく説明します。
- 静電気対策 初級編:
- 静電気の基礎
- 静電気とは? (静電気利用と問題)
- 電荷・静電容量・電位
- 静電気発生のプロセス (摩擦・剥離・誘導と帯電列)
- 静電気放電 (ESD) のプロセス (コロナ・グロー・アーク)
- 帯電電位と塵埃付着の関係 (エッジ効果)
- 静電気問題及び対策 (静電気の数値化・可視化)
- 抵抗測定器 (靴・リストストラップ・床・拡散性対策材料)
- 静電気測定器
- 電界計
- ACFB表面電位計
- DCFB表面電位計
- 実演:歩行中の人体帯電測定・対象物の大きさと測定精度
- 電荷量の測定 (ナノクーロンメーター)
- イオナイザーの検査・評価 (チャージド・プレートモニター)
- 静電気放電の検出
- 静電気による問題
- 人体帯電モデル (HBM)
- チャージドデバイスモデル (CDM)
- 帯電したPCB基板からの静電気放電 (CBE)
- 帯電したケーブルからの静電気放電 (CDE)
- 静電気帯電が形成する電界による誘導帯電
- 静電気対策
- 接地
- 導電性材料・拡散性材料の使用
- 加湿 (湿度環境と静電気帯電電位の関係)
- 静電シールド (電界の遮蔽)
- イオナイザー
- イオンの生成方式
- 放射線型
- DC型
- パルスDC型
- AC型
- パルスAC型
- 高周波型
- 次世代AC型
- 形式
- バー型
- デスクトップ型
- オーバヘッド型
- ノズル型
- ガン型
- イオンバランス制御方式
- 性能評価
- イオンバランス
- イオンバランスの均一性
- 減衰特性
- 誘導帯電の有無
- EMI
- 製造現場における静電気対策基礎編:
- 各種製造工程における静電気問題点と対策
- 半導体製造工程
- 液晶製造工程
- PC基板製造工程
- シート材製造 (フィルム等)
- 射出成型工程
- 製品組み立て工程
海外で言われている、静電気対策に関する間違った認識
- クラス0技術 (HBM 250V以下の対策) にはANSI S20.20 (IEC規格) で十分
- HBM (人体帯電) の故障がESD故障の大半を占める
- 回路基板 (PCB) は常にデバイスよりもESDに弱い
- 気流は帯電の原因
- ESDには湿度管理が不可欠
- 電界計 (静電気測定器) は装置内部の正確な帯電測定を行う
- ESD故障の90%はレイテンシ (潜在不良) 故障である
複数名同時申込割引について
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 35,000円(税別) / 38,500円(税込)
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