リサイクルプラスチックの機械特性改善、高品質化

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本セミナーでは、プラスチックリサイクルの基礎から、リサイクルプラスチックを利用した際のトラブルの要因と対策について解説いたします。

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開催予定

プログラム

第1部 リサイクルプラスチックの使用で生じるトラブル原因の分析

(2024年7月29日 10:00〜11:30)

 欧州での様々な規制発令に伴い、リサイクルポリマーは、これまで「使用すべき」ものであったのが、今では、戦略的に「使用しなければならない」ものへと変わりつつある。一方、リサイクルポリマーを使用するにあたっては、強度低下や成形不良、臭気等々のトラブルが生じるリスクがある。そういったトラブルを解決するためには、原因究明のために適切な分析を行う必要がある。  本講座では、リサイクルナイロンおよびリサイクルポリプロピレンのトラブル原因を特定するために、実際に分析した事例を紹介する。

  1. はじめに
    1. リサイクルポリマーに関わる欧州の規制について
    2. リサイクルポリマー使用におけるトラブル事例
  2. リサイクルナイロンの分析
    1. 強度低下要因解析
    2. 不純物分析
  3. リサイクルポリプロピレンの分析
    1. 物性への影響因子解析
    2. 臭気原因解明

第2部 使用済み家電リサイクルプラスチックの機械的物性改善・機能性付与

(2024年7月29日 12:10〜13:40)

 我が国では、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律 (プラ新法) に施行により、プラスチックのライフサイクル全般での“3R+Renewable”により、サーキュラーエコノミー (循環型経済) への移行が加速しており、リサイクルプラスチックにおいては、有効利用を促進するためには、物性改善を含めた新たな価値の創出が不可欠であると考える。  当社では、家電リサイクル法施行以降、家電リサイクルプラスチックのマテリアルリサイクルに注力してきた。本セミナーでは、家電リサイクルプラスチックを中心に、マテリアルリサイクルを可能とする機械的物性改善・機能性付与について解説する。

  1. プラスチックリサイクルの現状
  2. 使用済み家電リサイクルプラスチックとは
    1. 家電リサイクル法
    2. 当社のリサイクル事業
    3. 家電リサイクルプラスチックの処理フロー
    4. 家電リサイクルプラスチックの高純度選別
    5. 家電リサイクルプラスチックの素材化
  3. 使用済み家電リサイクルプラスチックの機械的物性改善・機能性付与
    1. 異物除去による靭性改善
      • PP
      • PS
      • ABS
    2. 耐衝撃性改善(ABS)
    3. 他のリサイクルプラスチックによる耐衝撃性改善及び流動性改善(PP)
    4. 樹脂溜まり付き押出機を用いた靭性改善(PP)
    5. 長期耐熱性処方設計(PP)
    6. 表面摩擦研磨による明度、長期耐熱性改善(PP)
    7. 色選別による明度改善(PP)
    8. 表面露出異物隠蔽方法(PP)
    9. 射出成形時のアウトガス発生対策(ABS)
    10. 難燃性等の機能性付与(PP、PS)
  4. 家電リサイクルプラスチックの製品適用事例
  5. まとめ

第3部 プラスチックのサーキュラーエコノミー実現に向けた射出成形のプロセスインフォマティクス技術

(2024年7月29日 13:50〜15:20)

 プラスチック分野のサーキュラーエコノミー実現に向けて、再生材の利活用および成形機の長期使用が求められている。しかし、再生材の特性ばらつきが大きい場合や、成形機の使用に伴い設備特性が変動する場合は、成形品質が低下する恐れがある。このため、材料や設備に依存しない成形品質の安定化が課題である。講演者らは、この課題に対して、金型内に搭載したセンサーから材料や設備に相関するデータを取得し解析することで、成形品質の安定化に繋がる成形プロセス条件を最適化する技術を開発している。  本講演では、開発技術の内容と検証例を紹介するとともに、金型内センサーのデータ活用を通じて得られた学びを共有する。

  1. プラスチックの資源循環に向けた課題と打ち手
    1. サーキュラーエコノミーが実現した社会
    2. マテリアルの循環に向けた開発技術
    3. プロダクトの循環にむけた開発技術
  2. マテリアルの循環に向けた開発技術の紹介:再生材の品質安定化技術
    1. 射出成形プロセスにおける再生材活用の課題
    2. 従来技術による成形条件最適化の技術課題
    3. 金型内センサーの活用例
    4. 金型内センサーを活用した成形条件最適化の概要
    5. 成形条件最適化に必要な学習データベースの取得
    6. 機械学習 (教師あり学習) による成形品質予測モデルの構築
    7. 機械学習 (教師無し学習) による特徴量の次元削減
    8. 成形品質予測モデルの逆解析による成形条件抽出
    9. 廃家電由来の再生材を用いた実験内容
    10. 品質安定化の結果例
  3. プロダクトの循環に向けた開発技術の紹介:成形機の機差補正技術
    1. 成形機の長期利用・シェアリングにおける課題
    2. 機差補正技術の概要
    3. 機差データベースの取得
    4. 成形品質予測モデルの構築
    5. 設備仕様が異なる成形機を用いた実験内容
    6. 機差補正の検証結果例
  4. まとめと学びの共有

第4部 再生プラスチックの力学特性改善技術

(2024年7月29日 15:30〜17:00)

 講師らはバージン材や他の材料とプラスチック廃棄物をドライブレンドして溶融成形を行うドライブレンド法を検討してきた。本講演では今までに講師らが行った事例について、理論を交えながら述べる。

  1. プラスチック廃棄物の現状と今後の課題、要求される材料物性
  2. ドライブレンド法によるアップグレードリサイクル技術
    1. 廃棄自動車バンパーの力学特性改善
    2. 容リ材 (容器包装リサイクル制度で回収したプラスチック材料) 再生ペレットの力学特性改善

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