(2012年7月20日 13:00〜14:40)
メーキャップ化粧品の機能は粉体特性を利用することで非常に高くなることが知られている。粉体にはバルク以外に大きさや形の要素があり、また、表面の性質によって化粧品の系での振る舞いが大きく変わる。あるがままの表面には様々な触媒活性点や吸着サイトおよび官能基があり、表面電荷や濡れなどに大きな影響を及ぼしている。これらの表面を処理することによって触媒活性を封鎖したり新しい機能を与えることができる。また、親水性・疎水性をコントロールすることによって製剤の分散や乳化など (Pickeringエマルションなど) を設計することができる。 本講演では粉体の大きさ、形などの基礎的な性質を概観した後に主に粉体の表面性質について述べ、表面の処理とその製剤への応用について述べる。
(2012年7月20日 14:50〜16:30)
ネット販売や情報検索手段の普及により、化粧品の高級感における中味技術の重要性が高まりつつある。メイクアップ化粧品のブランド価値を左右する重要な技術要素は、粉体原料の加工技術である。肌面の色と光の挙動の制御を用途とするメイクアップ化粧品には、10nmから200μmの範囲で種々の粉体が用いられる。複雑な成分と技術と思われがちな種々の粉体成分の用途と目的と加工法を理解すると、比較的単純な理由で各種配合粉体の最適な形状と大きさが決まることが分かる。 そして、実際の商品の使用感を機器測定と可視化法で評価分析すれば、各社の実商品の中味物性の特徴が、価格設定とブランドイメージにどのように反映され、あるいは矛盾しているのか理解することができる。つまり、これからの情報化時代において商品のブランド価値を高めるためには、中味の物性を機器分析することが、まずは不可欠となる。