プラスチックスは、海洋汚染に加え、資源枯渇、温暖化などの環境問題が顕在化しており、この対策として、再生可能でCO2を固定化できる植物を原料にしたバイオプラスチックが重要となっています。
本講演では、まず、プラスチックスの環境問題の現状について述べ、そして、バイオプラスチックの基礎から応用まで解説します。すなわち、バイオプラスチックの開発・利用の歴史、生分解性のメカニズムや分解性の制御、世界や日本での利用と技術開発の動向、今後の生産予想、さらに、代表的な種類の構造と物性や利用上の課題について説明します。その後、本講師が取り組んだ、高機能なバイオプラスチックの開発と製品適用の実例を紹介し、開発と製品適用のポイントを説明します。最後に、バイオプラスチックの今後の予想と目指すべき方向、さらに、リサイクルシステムへの対応について述べます。
- プラスチックの概論 (基礎、環境対策などの概況)
- 定義、生産規模、課題
- プラスチックの重要ポイント
- 高分子の構造・形態による分類
- 分子構造と重要物性の関係
- 製造方法や添加剤の利用
- 環境問題と対策
- プラスチックの環境問題 (海洋汚染など) の状況
- リサイクルや代替え材の利用などの対策や規制の動向
- バイオプラスチックの最新知識
- バイオプラスチックの基礎、重要ポイント
- 定義と分類、利用価値・植物資源 (バイオマス) として利用可能な種類と生産量
- 生分解性 (海洋分解性) のメカニズム、分解制御、評価方法
- 市場動向と課題
- 世界と日本での生産の現状、利用の違いと成長見通し
- 規制動向
- 主要なバイオプラスチックの解説 (構造・製法、現状の生産規模、課題)
- ポリ乳酸・バイオポリエステル
- バイオポリオレフィン
- バイオポリアミド・ポリヒドロキシアルカノエート (PHA)
- セルロース系樹脂・デンプン変性樹脂・ポリブチレンアジペートテレフタレート (PBAT)
- 研究開発事例
- 高機能なポリ乳酸複合材の開発
- 高耐熱、難燃、高伝熱などの機能性の実現
- 電子機器への利用
- 新セルロース系バイオマスプラスチックの開発
- 新構造での物性向上
- 低CO2排出量の製造技術
- 生分解性
- 漆ブラック調の高装飾性・耐傷性の実現
- 藻類系バイオマスプラスチックの開発
- CO2排出量ゼロを目指した藻類培養 – 有価物回収 – 合成までの一環生産プロセス
- まとめと今後の課題と展望
- プラスチックの総合的環境対策の中でのバイオプラスチックスの役割・方向性
- バイオプラスチックのリサイクルシステムへの適用課題と対応
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