サンプリング試験 (ロットの合否判定方法) への応用

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医薬品や医療機器の品質は外観からでは判断できないため、我々には使用者 (医療関係者や患者) に具体的な安心感を与える義務 (説明責任) があります。ここで言う具体的な安心感とはエビデンスに基づいた科学的根拠のことです。そのためには統計の基礎はもとより、検定、推定、サンプリング理論、実験計画法と幅広い力量が必要です。これを隈なく学びたいと言う方も、一部分だけで十分と言う方もいると思います。そこで、本コースでは共通基礎セミナー (Aセミナー) といくつかの応用セミナー (B,C,D,E,Fセミナー) として取捨選択できるようにしました。統計は具体的なデータを用いて絵やグラフを使いながら勉強していくと意外と分かりやすいものです。全ての講座に計算のデモや演習を組み込んでありますので、統計初心者の方も安心してご参加下さい。皆様が日常的に直面している問題解決に少しでもお役に立てれば幸いです。  なお、各応用セミナー (B,C,D,E,Fセミナー) の内容は相互に関係はありますが独立していますので、他のセミナーを受講していなければ理解できないということはありません。  また、演習にはExcelのアドインツールである「分析ツール」を使いますので、事前にインストールしておいてください。

【Dセミナー】中級レベル「サンプリング試験 (ロットの合否判定方法) への応用」

視聴時間:約3.5時間

 本講座は【Aセミナー】「データサイエンスの基礎」程度の予備知識を前提としています。  ロットからサンプルを採取し合否判定をすることは多くの会社で日常的に行われています。しかし、試験サンプルが規格に入っていたら、サンプリングしなかったその他大勢 (即ち、出荷するロット全体) も規格に入っていると言えるのでしょうか?試験結果が規格ギリギリだったらちょっと (と言うか大いに) 不安ですよね。その不安を見える化し解消できるツールが「抜取検査」です。一見難解そうな「抜取検査」ですが、JISでは完全にマニュアル化されているので簡単に設計・運用ができるようになっています。しかし、これをブラックボックスにしてしまうと誤用があっても気がつきません。実際、AQLを用いた検査を出荷試験に用いる誤用がしばしば見受けられます。これは大問題です。ですので、本コースでは絵解きによる説明とExcelを使ってのシミュレーションで、本質を直感的に理解できるように工夫しています。また、サンプリング試験の本丸であるJIS Z9002/9003について自分でもOC曲線が描けるよう徹底解説します。

  1. 問題提起と現状認識
    1. 「規格」とは何に対する判断基準なのか
    2. 「サンプルの試験結果が規格に入ったら合格」は極めてリスキー
    3. 合否判定の再現性
  2. サンプリング試験概要
    1. サンプリング試験の本質 (母集団の評価が目的)
    2. 完全な保証は無理 (リスクを受容する:生産者危険と消費者危険)
    3. 合否判定性能の見える化「検査特性曲線 (OC曲線) の作り方」
  3. サンプリング試験各論
    1. JIS Z9015 – 1 AQL指標型抜取検査は出荷試験に使えない
    2. AQLは不良率の保証レベルではない
    3. AQL「切り替えルール」の素晴らしい性能 (シミュレーションで検証)
    4. JIS Z – 9015 – 2 LQ指標型抜取検査の使い方
    5. サンプルの不良率からロットの不良率を判定する (JIS Z9002)
    6. サンプルの平均値からロットの平均値を判定する (JIS Z9003)
    7. サンプルの平均値からロットの不良率を判定する (JIS Z9003)
  4. 特論:
    1. 溶出試験の合否判定への応用
    2. サンプリング検査に関する品質保証哲学

受講料

持参品 (必須ではございません)

本セミナーの講演中にExcel実習を行う箇所がございます。
参加される際にPCをご持参いただけるとより理解度が深まります。
なお、演習は講師のデモも同時進行で行いますので、PCを持参されなくても支障ありません。
PC持参の場合は、Excelにアドインツールである「分析ツール」を組み込んできて下さるようお願い申しあげます。

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