セラミックス製造の低温、省エネルギー化技術

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本セミナーでは、セラミックスの製造について取り上げ、焼結、合成反応の低温化、セラミックス固化の省エネルギー化技術について詳解いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 マイクロ波を利用したセラミックス焼結の省エネ化

(2024年7月8日 10:30〜12:00)

  1. マイクロ波加熱の魅力と特徴
  2. マイクロ波によるプロセス省エネルギー化の思想
  3. マイクロ波によるプロセス省エネルギー化の事例紹介
  4. マイクロ波による金属焼結技術
  5. マイクロ波によるセラミクス焼結技術
  6. マイクロ波効果と化学反応の低温化

第2部 ウォームプレス法による焼かないセラミックスの創製

(2024年7月8日 13:00〜14:30)

 水和反応および高温焼結反応以外に、我々はセラミックスの第3の固化技術とみている、自然の堆積岩の形成機構を模倣したジオミメティック法について解説する。この方法は単純には、300°C程度のまでの熱と、300MPa程度までの圧力を同時に加えることで、溶媒 (単純には水でよい) の共存下、溶媒の蒸発に伴うセラミック粒子の溶解-析出機構を誘発し、粒子間に結合を所持させて固化体を作製しようとする技術である。水は高温で亜臨界の状態にあるとみられ、セラミックスを溶かし、溶媒の蒸発に伴い再析出して粒子同士を結合させる働きをする。2016年にペンシルバニア大のRandallらにより酸化物セラミックスのコールドシンタリングプロセス(CSP) として世に公表された方法とほぼ同じであるが、我々はジオミメティック法や用いる装置の名称にあやかり、「ウォームプレス法」と呼んでいる。固化に成功した物質を紹介しながら、この第3の固化技術について理解を深める。

  1. 炭酸カルシウムの固化技術
    • バッテライト相
    • 廃棄貝殻
      • カルサイト相
      • アラゴナイト相
  2. 水酸化カルシウム
    • 抗菌タイルの作製
  3. 炭酸マグネシウム
    • 地質学的なマグネサイトの形成機構の解明
  4. 水酸化アルミニウム
    • ボーキサイトの人工固化→焼かない赤煉瓦の作製
  5. SiC (非酸化物セラミックスの固化技術)
  6. ジオポリマーと呼ばれる新規セメント材料の超緻密体の作製
    • 他材料のバインダー利用

第3部 化学反応を用いたセラミックスの低温焼結技術とAI活用によるプロセス開発

(2024年7月8日 14:45〜16:15)

 本講座では、従来にない新しい発想に基づくバルクセラミックス製造プロセスを紹介します。特に室温近傍で行うため製造に必要な熱エネルギーとCO2排出量を大幅に削減することが可能です。さまざまな技術者に当該技術を知っていただくことで、あたらしい分野への技術展開が可能と期待しております。加えて、研究段階での主にプロセスに関する自動実験やインフォマティクス研究についても紹介いたします。

  1. 中和反応を用いた室温近傍でのクリーンな複合酸化物合成技術
  2. 低温合成に用いる原料の重要性
  3. 非晶質原料を用いたセラミックスナノ粒子合成技術とその原理
  4. 中和反応で複合酸化物を合成する際に結晶構造が与える影響
  5. 中和反応で合成可能な複合酸化物組成の例
  6. 実際に合成したセラミックス粒子粉体の活用事例
  7. 類似の合成技術を用いた反応焼結技術の紹介
  8. 低温合成反応を用いたバルクや薄膜などの部材化技術への展開
  9. セラミックスの低温製造技術と産総研で開発した酸塩基化学焼結法 (ABCD法) の紹介
  10. 化学焼結における原料粉末の重要性
  11. 化学焼結の律速課程
  12. 化学焼結で得られる特徴的な組織
  13. 機械学習の導入による新しいプロセスの迅速な最適化:プロセスインフォマティクス
  14. 機械学習によって得られる特徴量解析とプロセス改善
  15. ロボットを活用したハイスループット実験による材料探索とプロセス改善

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