第1部:スラリーの設計、評価、分散技術と条件の最適化
(2012年7月24日 11:00~14:15)
スラリーに含まれる微粒子 (粉体) について基本的な性質を理解するとともに,スラリー中の微粒子の分散安定性の評価方法について示す。
その後, 微粒子への表面修飾・コーティングによるスラリーの分散安定化についていくつかの実験例を示し,最後に機械的な分散技術について概説する。
- 微粒子に関する基礎知識
- 微粒子の性質
- 微粒子の形状・大きさ
- 粒子間に働く付着力
- 粒子集合体の流動特性
- スラリーの分散安定状態およびその評価方法
- 微粒子表面と溶媒の親和性,ぬれ性
- 微粒子の表面電位とDLVO理論
- 分散剤 (界面活性剤・高分子) の吸着
- 微粒子沈降法による分散性評価
- ゼータ電位測定による分散性評価
- スラリーの最適な分散技術
- 微粒子の帯電による分散効果
- 高分子吸着による分散効果
- コーティングによる微粒子表面の改質
- ビーズミルによるスラリー分散安定化技術
- まとめ
第2部:高濃度スラリーにおける分散安定性の評価方法
~先端材料開発で良く遭遇する問題点から学ぶ~
(2012年7月24日 14:30~16:15)
近年、エレクトロニクスメーカー等によって製品化されている多くの商品は、磁性材料、液晶、有機EL、太陽電池、燃料電池、二次電池等、いずれもスラリーを経由するプロセスが多用されている。しかし、プロセスで活用される高濃度スラリーは粒子濃度が高い故に光をプローブとする従来法が適用できず、十分な評価が行われて来なかった。
本講では、分散性・分散安定性の定義など基礎的事項の説明だけでなく、実用プロセスで重要なスラリー特性とその評価方法について、できるだけ専門用語を用いずに解説する。
- 先端材料開発でのスラリーに関係するプロセスで良く遭遇する問題点
- 1次粒子の評価と凝集粒子の評価
- スラリーの希釈と評価方法における注意点
- 分散性と分散安定性の定義と実用系で観察される現象
- ゼータ電位で制御される分散安定性と実用スラリーの安定性
- DLVO理論と拡張DLVO理論 (非DLVO力も含めて)
- 水系スラリーと非水系スラリー調整におけるポイントと課題
- スラリー特性に及ぼす粒子/溶媒界面特性
- 水系スラリーと粒子帯電機構
- 非水系スラリーにおける粒子-溶媒相互作用 (粒子表面の親・疎水性の影響)
- 粒子表面の親・疎水性評価方法
- 高濃度スラリーの分散性評価方法
- 遠心沈降分析法による評価 (スクリーニングおよび品質管理法として最適)
- 超音波スペクトロスコピーによる評価 (原因究明に最適)
- パルスNMR法による評価 (プロセス管理・粉砕工程管理・界面制御に最適)