感性評価における個人差の考え方と解析のポイント

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本セミナーでは、美しさ、心地よさ、上質感を感じるメカニズムと客観的評価手法について詳解いたします。

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プログラム

第1部 色彩に関する個人差と色彩印象の分析法

(2024年6月25日 10:00〜11:30)

 色彩の心理的な効果について、感覚・知覚、感情喚起 (カラーイメージ) 、好悪 (嗜好) の3つの視点で考えていきます。特にそれぞれのテーマごとに集団の共通性と個人による違いについて検討を加えます。先ず色の感覚・知覚ではすべての人が同じように色を感じているわけではないことと、それによる課題について解説します。  次は色によって喚起される感情の測定方法と類型化についてです。私たちはある色について、知覚的な印象や情緒的な印象を感じますが、その際にどのような基準で判断しているか、共通の判断次元があるかを考えます。さらに、十人十色と言われるように色の好みには個人差がありますが、集団の傾向としてはどうなのか、について話を進めます。

  1. はじめに (色の知覚・認知・感情)
  2. 色覚多様性について
    1. 色が見える仕組み
    2. 色覚多様性 (多数派色覚と少数派色覚)
    3. カラーユニバーサルデザインの考え方
  3. 色彩感情について
    1. 色彩による知覚的印象と情緒的印象
    2. 色彩感情 (カラーイメージ) の測定方法
    3. 色彩感情 (カラーイメージ) の類型化
  4. 色彩嗜好について
    1. 色彩嗜好と色彩嫌悪
    2. 色彩嗜好における集団傾向と個人差
  5. おわりに (集団視点・個人視点での色彩)

第2部 脳波による感性・認知力の“個人差”の評価

(2024年6月25日 12:15〜13:45)

 私たちは、年齢、性別、経験、性格、能力等様々な要因での個性をもっています。脳情報からそれら個人差を踏襲した上での評価が多様な個性の大きい感性や認知能力を評価する上で重要となってきます。私たちの気分や意識には、注意力や記憶力という、いわばワーキングメモリという高次認知機能が働いていると同時に、感情や気分を反映する情緒的認知機能とが融合した感性状態において日々生活しています。  本講演では、高次認知機能及び感性に着目して、複雑な人の心理状態である感性を感情や認知状態などの複数の認知機能が統合したモデルとして脳活動を計測するにあたり、いかに脳の構造や機能の指標においてそれら個人差をとらえ、脳科学的知見を応用することで、刻々と変化する多様な感性を定量評価可能とする技術について社会実装現場でも高精度かつ簡便に活用できる感性評価システムや今後の展望についてご紹介します。

  1. 自己紹介
  2. 感性の概念:感情と認知の統合
  3. 認知能力 (ワーキングメモリ) の個人差
  4. 記憶力脳波指標と個人差
  5. 記憶力脳波指標の年齢差
  6. 注意力脳波指標と個人差
  7. 感性の個人差 (性格・価値観)
  8. 感性モデル (ワクワク感)
  9. ワクワク感方程式
  10. ワクワク感心理軸と個人差
  11. ワクワク感脳波指標と個人差
  12. R&D向け脳波指標
  13. 実証検証 (R&Dでの利活用) のご紹介
  14. 今後の展望

第3部 触覚に関する個人差を考慮した知覚・感性・嗜好の評価

(2024年6月25日 14:00〜15:30)

 手触りや風合いなどとも呼ばれる主観的な触覚の評価を、客観的に測定および分析する方法について概説する。また、測定や分析において考慮すべきヒトの触覚メカニズムを併せて概説することで、個々に測定、分析する際の応用性を拡げることを目指す。

  1. 触知覚メカニズムの基礎
    1. 硬軟知覚
    2. マクロな粗さの知覚
    3. ミクロな粗さの知覚
    4. 摩擦知覚
    5. 温冷知覚
  2. 触感測定方法
    1. 一般的な主観評価方法
  3. 触感分析方法
    1. 多次元,多階層な分析モデル
    2. 時系列特性を考慮した分析モデル

第4部 製品の感性評価における個人差の扱い

(2024年6月25日 15:45〜17:15)

 感性評価において個人差を考える時、まず個人差の2つの側面に着目する必要があります。個人間差と個人内差です。  これらと統計との関係、そして評価者のセグメンテーションの問題、など、実際に感性評価を製品開発に活かす時に気をつけなければならない点を考えていきます。最後に、事例として、製品の好みに関する品質の特定を潜在クラス分析によって解析した事例について報告します。

  1. 個人差の2つの側面
    1. 個人間差
    2. 個人内差
  2. 個人差と統計の関係
    1. 個人差と誤差の考え方
  3. 個人差をなくす努力
    1. 個人差の積極的活用
  4. 評価者のセグメンテーション
    1. 物理指標の場合
    2. 官能指標の場合
    3. 感性指標の場合
    4. 心理指標の場合
  5. 評価の階層性の視点 6.潜在クラス分析による事例

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