基板が直接関係する不良は、はんだ不良だけに留まらず、基板反り、キズ、はんだクラック、ノイズ、製品の機能不良が挙げられます。そこで、第1部では上記6項目を未然に防止する為の基板設計上の施策について説明します。他の項目を挙げればきりがありませんが、概ねこの代表的な項目を重点課題として解消できれば、基板の設計品質の向上につながります。
本セミナーでは、特にはんだ不良について詳しく取り上げます。第2部では、はんだ不良を、主にリフローはんだ付けとフローはんだ付けに分け、それぞれの工法で発生する不良要因から不良内容について、何故その不良が発生するのかメカニズムについて説明します。はんだ不良が発生する要因は一つだけに限定されず、幾つかの要因が絡み合って発生します。はんだ不良は、それぞれの対策を覚えるのではなく、発生メカニズムを習得することに意味があります。具体的な不良例を取上げて、1次要因 (はんだ付け要因) と2次要因 (工程要因) に繋ぎ合わせて、発生要因事象を時系列で、系統立てて説明します。この流れを把握することで、会社の業務に生かすことだけでなく、日本溶接協会の実装工程管理技術者の資格取得にも繋がります。
- 第1部:製造側から見たプリント基板設計
- 初めに基板上の用語の説明から始まり、はんだ不良を防ぐ為のプリント基板の設計要件について解説します。
- 基板設計の目的
- 用語の説明
- ランド、パッド
- サーマルパッドとサーマルビア
- 各種の基板構造
- 片面基板
- 両面基板
- 多層基板
- ランド・パターン設計
- はんだ不良対策
- 発熱対策
- 回路断線対策 (テイアドロップ)
- 電流容量
- はんだ不良を防ぐ為の部品配置
- リード部品は基板流し方向に対して平行
- チップ部品は基板流し方向に対して垂直
- 熱容量大部品に対して 均等な配置
- 部品面側に実装された部品のフラックス付着を防ぐ配置
- デッドスペース (干渉領域)
- 噴流ノズルを使ったはんだ付けでの隣接する部品との距離
- ランドーランド間のクリアランス
- アキシャルーアキシャル
- ラジアルーラジアル
- アキシャルーラジアルアキシャルー異形
- ラジアルー異形
- 異形-異形
- 挿入機で挿入する場合の実装禁止領域
- 反り対策
- ノーランドバーの設け方
- 基板の流し方向に対するコネクタの配置
- ネジ締め
- 応力、歪に対するネジ締めの位置
- チップセラミックコンデンサの割れ対策
- 設計品質
- チップサイズの大きな部品は搭載しない (サイズ:5025以上)
- コーテイング剤クラック対策 (線膨張係数の小さい樹脂の採用例:ヒューミシール)
- Vカット上の注意 (Vカット又はミシン目から5mm以上部品を離す)
- 熱対策
- 空気の流れを想定した基板内温度差 (⊿T) が小さいこと
- ビアはマイコンに近づける
- 筐体内部放熱を考慮した部品配置
- 基板を垂直置きにした時、熱抵抗が下がる設計にする
- 表面、裏面に発熱部品を搭載する場合は、重ならない配置にする
- ノイズ対策 (主な項目列挙)
- 基板の外周にはベタを設ける
- GNDブレーンの分離防止
- コネクタのビアの隙間を空ける
- コネクタの部品下の配線に注意
- コンデンサはマイコンから距離開ける。
- ICの下はGND設ける
- GNDガードのパターン幅を太くし、パターンにビアを配置する
- 入力と出口は遠ざける
- パスコンはマイコンに対して容量の小さい順に配置する
- テストランドは分岐しない配置
- 電源配線はパスコンを経由して接続する
- コイル下へのGNDパターンはベタ抜きにする
- ICピンのパターン
- ICピンのパターンのショートは外に引き出す
- 同一層での配線
- 電流配線のビア数は、電流容量に合わせて設定する
- 第2部:実装工程におけるはんだ不良と対策
- はんだ不良の発生要因の複雑な絡み合い
- はんだ不良のメカニズム
(複雑に絡み合ったはんだ不良の要因を1次要因 (はんだ要因) – 2次要因 (工程要因) – 発生要因事象に繋ぎ合わせてどのように不良が発生したか、系統立ててその発生メカニズムを習得する。)
- リフローソルダー
- ぬれ不良
- 部品の回転ずれ・平行ずれ
- チップ立ち・チップ浮き
- 未溶接
- ブリッジ
- ソルダーボール
- ソルダ不足
- フローソルダー
- ぬれ不良
- フローアップ不足
- 部品浮き
- ブリッジ
- つらら
- ブローホール
会場受講の複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
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