米国FDAは近年、複数の大規模EOG滅菌施設の停止措置を実施し、その際、住民反対運動、訴訟等などが発生している。また、WHO GMP、EMA、ISO等でもEOG滅菌は他の滅菌法が使用できない場合のみ使用することとされている。また、米国FDAでは滅菌法代替プログラム発信されたが、代替滅菌対象はEOG滅菌だけでなく、ガンマ線滅菌も対象となっている。本講座では、改めてEOG滅菌のリスクとして、安全性 (作業者、環境) と品質 (滅菌バリデーション、残留ガスの樹脂による違い、微生物への殺菌抵抗性への留意点) などや代替滅菌法事例などを解説する。
今後は、管理が整備された外部EOG滅菌施設への委託、他の滅菌法の検討が必要と考えられる。
- EOG滅菌の酸化エチレンの安全性
- EOG使用に関する各種規格基準の動向 (留意点)
- WHO GMPガイドライン
- EMA (欧州) 滅菌法選択に関するガイドライン
- ISO10993-7 EO残留ガス濃度測定 ガイドライン
- 国内行政関連知等
- 労働安全衛生法 特定化学物質等障害予防規則
- 厚労省労働基準局安全衛生部 注意喚起パンフ
「エチレンオキシドを用いた滅菌作業における健康障害防止対策について」
- 厚労省EO環境排出規制 (PRTR法)
- 米国等でのEOG滅菌施設のFDA稼働停止命令、住民のエオチレンオキシド施設の反対運動に関する報道等
- 国内環境省のエチレンオキシドに関する調査と注意喚起動向
- EOG滅菌バリデーションに関する課題 (留意点)
- 他の滅菌法での検討と他の滅菌法が使用できなかったエビデンス
(監査対象可能性)
- 食品、医薬品等では使用不可
- 包装容器、医療機器での構造上の留意点 (滅菌設計開発バリデーション:DQ)
- 滅菌バリデーション時の載荷形態の決定と実際のギャップ
- 多品種のファミリー、グループ化の際の根拠、検証
- 被滅菌製品の微細構造部分、圧着部分の滅菌バリデーション、PCDの留意点
- 滅菌時の監視測定モニタリング要求
- 滅菌バリデーション時のセンサー数、BI数
- 残留ガスのエアレーションについて
- プラスチックの種類による浸透性
- 吸着性の違いと脱ガス時間の違いの検証
- 各センサーのガス暴露による影響の注意
- 医療機器の潤滑油、コーティング剤等使用の際の、微生物の共存物の影響
- 微生物の死滅効果の評価 D値測定時の留意点
- 真空引き、エアレーション時の圧力変化による素材構造への注意 (バルーン系他)
- 米国FDAの代替滅菌法プログラムの動向
- EOG滅菌だけでなく何故ガンマ線もリスクが高い代替対象なのか。
- 注目される電子線滅菌
- 最新の大規模X線線滅菌設置の検討動向
- 代替滅菌法としての電子線、電子線変換X線滅菌の概要とその動向
- 電子線滅菌
- 電子線変換X線滅菌
- 代替滅菌法の課題と対策、研究開発
- 国内の放射線滅菌施設設置動向 (ガンマ線滅菌、電子線滅菌施設設置動向)
- 国内大手医療機器企業の電子線滅菌採用動向
- 病院におけるEOG滅菌から過酸化水素プラズマ滅菌への移行
- 国内PMDAによる医療機器の製品回収情報 (滅菌関連抜粋)
- 今後のリスクマネジメントと持続的成長のための経営戦略
(環境を配慮した処理法等のプロモーション イメージ戦略、時代のよる変化他)
- CSR、SDGs等では、有害物質を自社が直接使用しないだけでなく、外部委託先を含めた視点、自社環境報告書への展開など新しい改善取り組み姿勢の重要性
- 今後の対応検討
- 早急な対応として、自社滅菌からEOG滅菌の管理が整備された外部EOG滅菌委託への切り替え
- 中長期では他の滅菌法の検討
- その他
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