電動化 (EV駆動等) モータと回路基板の高電圧化・高周波化・熱対策に向けた、樹脂材料開発と絶縁品質評価技術

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本セミナーでは、部分放電特性について十分理解し、EVのパワートレインの構成部品、駆動モータ本体とパワーモジュール、さらにそれらを電子制御するプリント基板回路において、「いかに絶縁トラブルにつながる部分放電を発生させないか」の基本対策について基礎から応用まで詳しく解説いたします。
また、自社開発の高機能な樹脂絶縁材料をEVモータや半導体基板材料に適応する場合、その技術課題と電気的特性の評価方法について具体的に解説いたします。

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プログラム

カーボンニュートラル社会構築に向け、幅広い産業分野において電動化が叫ばれ、世界中で電気自動車 (EV) へのシフトが加速している。日々、進化するパワーエレクトロニクス技術を基盤に、インバータで駆動するモータは、EVだけでなく、電気製品、産業用機器、建設機械、鉄道車両、高速エレベータ、等々の幅広い市場で急速に生産が拡大している。  電動化システムにおいて危惧される最大の技術課題は、高電圧化、高周波化によるインバータから発生する高繰り返しインパルス電圧波形の伝搬によるモータ内での微小な部分放電発生による絶縁破壊トラブルである。微弱な部分放電の精度の高い計測と熱・高電圧・高周波化対策としての高電圧絶縁設計と評価試験の標準化が最大のコア技術課題である。  インバータサージ電圧の発生と高速伝搬のメカニズムや計測の方法は、従来のAC電圧の場合と比べて大きく異なっており、十分に理解されていない。その理由は、発生箇所の特定が困難であるナノ秒時間スケールの部分放電現象が様々な環境要因で複雑に変化するためである。  本セミナーでは、部分放電特性について十分理解し、EVのパワートレインの構成部品、駆動モータ本体とパワーモジュール、さらにそれらを電子制御するプリント基板回路において、「いかに絶縁トラブルにつながる部分放電を発生させないか!」の基本対策について基礎事項から学べるように初歩から応用まで詳しく解説する。また、自社開発の高機能な樹脂絶縁材料をEVモータや半導体基板材料に適応する場合、その技術課題と特性評価方法について分かり易く解説する。

  1. 脱炭素化社会に向けた高電圧電動化の最新技術動向と課題
    1. 電気自動車EV用駆動モータの高電圧化に向けた技術動向と最新ステータ巻線構造
    2. 高耐熱性、厚膜化、低誘電率化EV用平角巻線の開発動向
    3. インバータ駆動モータ、パワーモジュールと回路基板の絶縁技術と評価の課題点
    4. 最新パワーモジュール (SiC, GaN) の高速スイッチング化による絶縁課題
  2. モータ/パワーモジュール/基板回路の部分放電と性能劣化の理解のポイント
    1. 部分放電とは何か? わからないからと放っておかない。
    2. 高電圧化、高周波化すると絶縁破壊につながる部分放電が発生するのはなぜか?
    3. 使用環境と材料で大きく変化する部分放電と発生メカニズム
    4. どこで発生するのか? 弱点部位を重点対策する。
    5. 熱対策の基本として、樹脂材料の熱的、電気的劣化メカニズムを理解する。
    6. 従来の交流電圧試験とは異なるインパルス電圧による評価試験の重要性を理解する。
    7. 絶縁破壊電圧よりも部分放電が発生する電圧 (PDIV) を知ることがより重要
    8. パルス的に繰り返し発生する微弱な部分放電を計測すると大きくばらつくのはなぜか?
    9. PDIVを簡単に評価する方法とは何か? PD発生有無を見極める。
    10. 電圧がさらに上昇してもPDを発生させないポイントは何か?
  3. 部分放電特性に影響を及ぼす各要因と樹脂材料の機能劣化メカニズムの基礎
    1. 各電圧波形 (ACとインパルス) による部分放電の特徴
    2. 環境因子 (温度、湿度、気圧) が部分放電に及ぼす影響
    3. 初期電子の供給量、空間電荷 (帯電) 、水分と汚れの部分放電へ与える影響
    4. PDIVの予測の方法、PD発生有無を予測して絶縁設計する。
    5. 熱劣化で加速する部分放電の発生トラブルと材料機能劣化メカニズム
    6. 部分放電 (荷電粒子) と樹脂材料との相互作用による絶縁劣化メカニズム
  4. インパルス部分放電計測とデータ収集と処理方法
    1. AC試験器とインパルス試験器との違いとは何か?
    2. 高速で発生を繰り返す微弱なインパルスPDの計測の難しさとは何か?
    3. インパルス電源、各種PDセンサーと計測信号波形
    4. 印加電圧波形 (立ち上がり時間、パルス幅、周波数) が影響するPD特性
    5. センサー感度とノイズ、閾値の設定とPD発生有無の判定との関連性
    6. インパルス電圧の印加方法とPD計測データ収集と処理方法
    7. 恒温恒湿槽を使ってPDIVの温度・湿度特性を計測する場合の注意点
    8. 高温条件下で高周波 (例、ACや矩形波) 電圧による材料寿命試験のポイント
  5. 駆動モータのインパルス絶縁試験方法の具体例とポイント
    1. インバータ駆動モータのインパルス試験の必要性
    2. モータ内部におけるサージ電圧の伝搬特性の計測の方法
    3. インパルス試験電圧波形と様々なモータ結線方法
    4. 国際規格 (IEC) 試験方法、その問題点を理解して自社独自で試験する。
    5. 各インパルス電圧波形の特性変化に対してPDIV特性に及ぼす影響
    6. 各環境要因 (温度、湿度、気圧) に対してPDIV特性に及ぼす影響
    7. 各コイルの分担電圧と部分放電発生箇所の推定
    8. 絶縁の最弱点箇所であるコイルターン間の試験と相間、対地間試験との相違と方法
    9. ターン間試験、対地間と相間試験で試験電圧と波形に依存するPD発生形態の相違
    10. 実機で部分放電を発生させないためのポイント
  6. 高耐熱性樹脂材料の高温下PDIVと寿命特性の計測とポイント
    1. EV用平角巻線の厚膜化、低誘電率化によるPDフリーの実現
    2. 耐高熱性かつ高熱伝導性の絶縁材料のPDIV温度特性の計測
    3. ナノコンポジット絶縁材料の優れた耐サージ特性と長寿命化によるPD許容
    4. 耐サージモータ巻線の高温高周波寿命試験の方法
    5. 高機能性絶縁フィルムの高温環境下での部分放電計測とノウハウ
  7. プリント回路基板の高周波PDIV特性の具体例とポイント
    1. 回路基板の絶縁性能への高周波化の影響
    2. 各電極配線構造による部分放電発生形態
    3. 回路基板のPDIV周波数特性の計測方法
    4. 電気トリーによる封止材の絶縁劣化メカニズム
    5. 熱対策としてのサーマル界面材料 (TIM) のPDIV特性の計測
  8. まとめと今後の課題

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