ロットからサンプルを採取し合否判定をすることは多くの会社で日常的に行われています。しかし、試験サンプルが規格に入っていたら、サンプリングしなかったその他大勢 (即ち、出荷するロット全体) も規格に入っていると言えるのでしょうか?試験結果が規格ギリギリだったらちょっと (と言うか大いに) 不安ですよね。その不安を見える化し解消できるツールが「抜取検査」です。
一見難解そうな「抜取検査」ですが、JISでは完全にマニュアル化されているので簡単に設計・運用ができるようになっています。しかし、これをブラックボックスにしてしまうと誤用があっても気がつきません。実際、AQLを用いた検査を出荷試験に用いる誤用がしばしば見受けられます。これは大問題です。ですので、本セミナーでは絵解きによる説明とExcelを使ってのシミュレーションで、本質を直感的に理解できるように工夫しています。もちろん、ベースとなる統計も基礎から丁寧に解説しますので、統計の初心者の方も安心して参加して下さい。
なお、実習でExcelのアドインツールである「分析ツール」を使いますので、事前にインストールしておいて下さい。
- 問題提起と現状認識
- 「規格」とは何に対する判断基準なのか
- 「サンプルの試験結果が規格に入ったら合格」は極めてリスキー
- 合否判定の再現性
- 統計の基礎I (計量値:長さ、重さ、濃度など)
- 視覚化の重要性 (ヒストグラム)
- 正規分布と標準偏差
- 規準化 (統計的な距離)
- 似て非なるもの (標準偏差と標準誤差)
- 統計の基礎II (計数値:良品・不良品の個数など)
- 不良率の分布 (超幾何分布、二項分布、ポアソン分布)
- サンプル中に含まれる不良品数のばらつき
- サンプリング試験概要
- サンプリング試験の本質 (母集団の姿を推定すること)
- 何を保証するのか (平均値?それとも不良率?)
- 完全な保証は無理 (リスクを受容する:生産者危険と消費者危険)
- 検査性能の見える化「検査特性曲線 (OC曲線) 」
- サンプリング試験各論
- JIS Z9015 – 1 AQL指標型抜取検査の正しい使い方
- AQL「切り替えルール」の素晴らしい性能
- JIS Z – 9015 – 2 LQ指標型抜取検査の正しい使い方
- サンプルの不良率からロットの不良率を判定する (JIS Z9002)
- サンプルの平均値からロットの平均値を判定する (JIS Z9003)
- サンプルの平均値からロットの不良率を判定する (JIS Z9003)
- JIS Z9003を溶出試験判定法2のリスク低減に活用した事例
- ロット内のばらつきを推定する
- 日常の検査データの活用:x̅ – R管理図による方法
- プロセスバリデーションのデータの活用:枝分かれ分散分析
- サンプリング誤差が無視できない時の対応
- Q&A
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