「CASE」をキーワードに車の電子化が急激に進んでいます。エンジンはインバータ/モータに置き換わり、エネルギー源であるLiBはシビアな温度管理 (加熱冷却) が必要になります。高度な自動運転のため、高発熱AIチップを搭載し、高速の5G通信で常時接続されます。これらの機能を支える要素デバイスはいずれも大きな発熱を伴い電子デバイスの冷却が信頼性や安全性の要になります。こうした熱問題に対処するには熱のふるまいを知った上で適切な冷却構造を取ることが重要です。
ここではまず、初心者向けに伝熱の基礎から解説します。次に車載機器の放熱ルートや対策のトレンドについて説明し、最後にECU、インバータ、モータ、バッテリーなどここの冷却技術の最新動向について解説します。
- CASE実現に不可欠な熱問題への対応
- CASEがもたらす熱問題
- 車載機器の使用環境と発熱部位
- EVは熱設計からサーマルマネジメントへ
- 熱によって起こる車載機器のさまざまな不具合
- 車載機器熱設計に必要な伝熱の基礎知識
- 伝熱のメカニズム
- 熱伝導と接触熱抵抗低減策
- 対流のメカニズムと計算 熱伝達率促進策
- 熱放射のメカニズムと活用 放射率増大策
- 熱抵抗による熱設計の進め方 目標熱抵抗
- 車載用インバータの構造と放熱ルート
- インバータ放熱経路とボトルネック
- 低熱抵抗化対策の方向
- 直冷式の構造と効果
- 両面冷却による低熱抵抗化
- ECUの放熱構造
- ECUの主な熱源と熱対策
- 冷却方式 自然空冷、強制空冷、水冷
- 筐体放熱と接触熱抵抗対策
- 車載機器で使用する放熱材料
- TIMの種類と活用
- 放熱シート 超柔軟シート
- ギャップフィラー/ゲル
- サーマルグリース/PCM
- 車載機器での使用事例
- バッテリーの構造と熱対策
- Liバッテリーの熱特性 (適正温度範囲)
- 放熱経路とボトルネック
- 水冷方式の課題と対策
- テスラスネークチューブ
- 自動運転向けコンピュータの冷却
- TESLA M3に見るオートパイロットの水冷
- SoCなどの高発熱ロジックデバイスの冷却
- 無線通信モジュール、LiDARの冷却
- EVモータとその熱低策
- モータのトレンドと熱対策
- モータで発生する損失とその計算
- モータで採用されている油冷/液冷
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