量子ドットの技術動向とディスプレイへの応用

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プログラム

第1部 量子ドットの基本的物性と耐久性向上技術

(2024年6月13日 10:30〜12:00)

 コロイド法で作る量子ドットは、新しいタイプの蛍光体として知られるようになった。  本セミナーでは、この量子ドットの研究の背景・経緯を説明し、基本的な物性とそれに関わる粒成長のメカニズムについて解説する。 このような基本を押さえたうえで、量子ドット合成、ガラスマトリックスへの分散手法について講師独自の見解を加えて解説する。

  1. 量子ドット研究の経緯と基本的な構造・特徴
  2. 量子ドットの基本的な物性と粒成長メカニズム
    1. 物理的、化学的性質 (量子サイズ効果など)
    2. エネルギー準位の計算方法と留意点
    3. 量子ドットのサイズと濃度の求め方
    4. 粒成長メカニズムと発光効率
  3. 量子ドットのガラスマトリックスへの各種分散法
    1. バルク体への量子ドット分散:その方法と留意点
    2. 微小ガラスカプセル中への分散・安定化
  4. 量子ドットの各種特性評価の方法
    1. 単一分子検出法の発明の経緯
    2. 耐光性の測定・評価法

第2部 三原色発光するシリコン量子ドットフィルムの開発

(2024年6月13日 13:00〜14:30)

 量子ドットを用いたTVやタブレットは、世界中で販売され始めています。流通品では主にIn系、研究ではCd系やペロブスカイト系 (鉛を含む) の量子ドットが主力となっています。従って、現在、汎用的材料で、毒性がなく、また重金属フリーなサステナブル発光体が世界中で模索されています。シリコンは重金属ではなく、原料は砂・石です。しかしシリコンの発光は近赤外領域で、発光効率が低く (0.01%程) 、発光材料には向いておりませんでした。一方、ナノサイズになると発光効率は近年90%まで上昇し、フルカラー発光も実現しています。  本セミナーではシリコンの量子ドットの製造法、構造、特性、LED、三原色発光フィルムを紹介します。

  1. イントロダクション
    1. 量子ドットについて、コロイダル量子ドットについて
    2. シリコンについて
    3. 発光性ナノシリコンについて
  2. シリコン量子ドットの発光メカニズム
    1. 量子サイズ効果
    2. 有効質量近似
    3. 表面効果
    4. リガンド効果
    5. SlowバンドとFastバンド
  3. シリコン量子ドットのフィルムの作製法・構造・光特性
    1. シリコン量子ドットの合成法
    2. シリコン量子ドットの構造と光特性
    3. 三原色発光する量子ドットフィルム
    4. その他のシリコン量子ドットのデバイス (時間の許す限り)
  4. まとめと展望

第3部 量子ドットの応用市場展望 – 拡大するディスプレイ分野と期待される新市場 -

(2024年6月13日 14:45〜16:15)

 「量子ドット (QD) 」が米国の3氏によって2023年ノーベル化学賞を受賞し、今後の拡大が期待されています。既に実用化が進んでいるディスプレーへの応用事例を解説し、更に将来期待される新分野を紹介します。

  1. 量子ドット (QD) のヒストリー
    1. 発明から実用化へ
    2. ノーベル化学賞の意義
    3. 事業化とビジネスの駆け引き
  2. ブレークしたディスプレー応用
    1. 市場を拡大する「液晶+QDシート」
    2. 新たな市場を生み出す「OLED+QD色変換層」
    3. 期待の「Micro LED+QD色変換層」
    4. OLEDを置き換える「QD-LED (QLED) 」
  3. 新分野への応用
    1. センサー
    2. 太陽電池
    3. 医療
    4. 農業
    5. レーザー光源
    6. その他
  4. サプライチェーンとビジネスチャンス
    1. 国際会議や世界のイベントで繰り広げられるホットな議論
    2. プレーヤーとサプライチェーン
  5. まとめ: 未来に向けた技術発展と産業形成の融合

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